ラグビー日本代表 601日ぶり実戦勝利!逆転呼んだ初代表のSH斎藤「本当に最高」

[ 2021年6月13日 05:30 ]

ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2021   日本代表32―17サンウルブズ ( 2021年6月12日    静岡・エコパスタジアム )

<日本代表・サンウルブズ>後半20分、堀越(左下)のトライにガッツポーズする日本代表・斎藤(右)(撮影・久冨木 修)
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 19年10月20日のW杯準々決勝・南アフリカ戦以来、601日ぶりの実戦に臨んだ日本代表は、32―17で特別編成されたサンウルブズに逆転勝ちを収めた。先発15人中13人をW杯組が占めたが、3―14で迎えた後半から入った新戦力たちが躍動。後半11分から入ったSH斎藤直人(23=サントリー)は攻撃のテンポアップで貢献し、今月26日の全英・アイルランド代表ライオンズ戦(英エディンバラ)でのメンバー入りへアピールした。

 普段はシャイで引っ込み思案。試合後のオンライン会見でも、冒頭で関係者から「もっと声を大きく!」と注意された斎藤だが、ピッチ上ではまるで別人格だった。トップリーグで過ごした1年間でパンプアップした体を紅白ジャージーで包み、堂々たるプレーぶり。キャップ対象試合ではないものの、初めて日本代表の一員として試合を終え「本当に最高。ラグビーを始めたころから目標としていたので、(代表)ジャージーを着てプレーできたのは光栄」と上気した表情で語った。

 前半は劣勢だったチームに活力を与える、リザーブの役割を完遂した。持ち味の小気味良い球出しやパススピードで相手ディフェンスを徐々に崩す。4点を追う後半25分には、敵陣ゴール前で死角から飛び込んだCTB中村に直接パスを出し逆転トライをアシスト。「(相手の)ウヴェさんと目が合ったので、これは(ゲインラインを)切れると思った」。自分にマークが来ていることを一瞬で察知し、最適解を生み出す判断の確かさを見せた。

 3人が選ばれた今代表のSHだが、W杯で主力だった流大(サントリー)と田中史朗(キヤノン)は不在。W杯で出番のなかった茂野に先発は譲ったが、残したインパクトは上回った。「先発なら別の課題が出てくる」と謙遜したが、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)は「後半の選手がインパクトを与えてくれた」と評価。史上初の対戦となるライオンズ戦での初キャップ獲得の可能性は高まった。

 味方のトライやファインプレーのたびにガッツポーズをしたのは、今季サントリーでコンビを組んだSOバレットから「きつい状況でも常にラグビーを楽しむ」ことを学んだから。23年W杯の9番を嘱望される23歳が、日本代表で力強い第一歩を踏み出した。

 ◇斎藤 直人(さいとう・なおと)1997年(平9)8月26日生まれ、横浜市出身の23歳。3歳からラグビーを始め、神奈川・桐蔭学園高では13、15年度の花園で準優勝。16年4月に早大に入学し、1年からレギュラー。主将を務めた4年時に大学日本一に輝いた。20年のスーパーラグビー「サンウルブズ」でプレーし、同年4月にサントリー入り。1メートル65、73キロ。

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