松山マスターズVの裏に“安定したメンタル” 目沢氏と初のコーチ契約、課題共有で心に余裕

[ 2021年4月13日 05:30 ]

米男子ゴルフツアー マスターズ最終日 ( 2021年4月11日    ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7475ヤード、パー72 )

マスターズを制し、「チーム松山」で記念撮影する(左から)飯田トレーナー、早藤キャディー、ターナー・マネジャー、松山、目沢コーチ(AP)
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 松山が「ゴルフの祭典」の歴史にその名を刻んだ。8年連続10度目出場の松山英樹(29=LEXUS)は4打差の単独首位から出て4バーディー、5ボギーの73にまとめ、通算10アンダーの278で逃げ切り、悲願の初優勝を果たした。日本人男子として海外メジャー初制覇。米ツアー通算6勝目。207万ドル(約2億2700万円)の優勝賞金と終身の大会出場権を得た。

 悲願のメジャータイトルは、実に1344日ぶりの勝利でもある。14年の米ツアー初優勝から17年8月までに5勝を挙げたが、そこから勝利が遠かった。今年はトップ10が一度もなし。「先週まで1回もトップ10にも入っていなかったですし、優勝争いもしていなかったので。期待はしてなかった」が松山の本音だった。

 苦しい時期が続いた。ここ数年はスイング面で「どこを直したらいいのか分からない」と話すほど悩みが深くなった。懸命の修正を重ねる中、18年には「一生ゴルフができない怖さ」という左手親指付け根のケガにも見舞われた。「どうしたらいいんだろう」。これまで見たことのなかった自身のアマチュア時代のスイング映像を見返し、きっかけをつかもうと必死だった。

 勝利への思いは募るばかり。ロイヤルバークデールGCで行われた17年の全英オープン。チームのメンバーや先輩プロと食事に出掛けた時、気を許す仲間と話をしているうちにこらえ切れず突然涙を流したこともあった。結果を出せない自身へのふがいなさ、周囲からの期待やプレッシャー。そんな思いを胸に抱え込んで、戦い続けた4年間だった。

 「勝つこと以外ない」とテーマを掲げた21年。これまでは必要な時に助言を受ける形だったスタイルを変えた。日本では数少ないTPIレベル3というレッスンプロ資格を持つ目沢秀憲氏(30)と自身初のコーチ契約した。それでも、目沢氏は「当初は私と松山選手本人の理想とズレがあった」と振り返る。

 特に最近2カ月は、ショットデータや映像を見ながら2人で話し合う日々を送った。「いろんなことを一つ一つ解決してきたことが、今回の優勝につながった」と目沢氏。松山も「自分1人でやって、自分が正しいと思い過ぎていた。客観的な目を持ってもらい、正しい方向に進んでいる」と言った。一人で抱え込んでいた技術面の課題を共有できたことが、優勝争いの最中にミスをしても笑顔を見せられる精神面の強さにもつながった。

 目標としていたマスターズ制覇。この1勝は確かに節目ではあるが、決してここがゴールではない。これからも変わらず貪欲に、勝利を追い求めていく。

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