吉本ひかる “好転”戻ったフェードの球筋 2位2度…今年こそ初勝利

[ 2021年3月3日 05:30 ]

女子ゴルフ2021年 ブレークの予感(2)

笑顔で練習ラウンドする吉本ひかる(撮影・沢田 明徳)
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 1Wで左に打ち出した打球が、緩やかに右に戻りながらフェアウエーへと飛んでいく。吉本ひかる(22=マイナビ)は声を弾ませる。「やっと戻りました。開幕が凄く楽しみ。いい感じです」。本来の球筋のフェードとともに、その言葉に自信も戻ってきた。

 新型コロナに翻弄(ほんろう)された20年。試合が次々と中止になった期間に、トレーニングに励んだ。体を鍛えて飛距離が伸びた一方で、「体の動きがバラバラになって。体が流れて曲がるようになった」とスイングに変化が生じた。

 球筋もドローに変わってしまい、グリーンを狙うショットで距離感が合わずに奥に外す。難しい位置からのアプローチが増え、19年に10位だったリカバリー率が昨年は56位に低下。19年に8度を数えたトップ10入りも昨年は1度だけだった。

 強化した体を生かしつつ、このオフは動きの柔軟性を意識。スイングも下半身ではなく上半身を動かすイメージに変えたことで、「気持ち良く振れるようになった」。戻ってきたフェードの球筋が、好転の何よりの証拠。

 未勝利ながら、これまで2位が2度。今年の目標はもちろん、初勝利だ。「優勝を目指しながら、でも、焦らずに自分らしいプレーを。悔いのないようにプレーしたいなって、今、凄く思っています」。実力者がひしめく黄金世代。吉本の言葉からは、次なるブレークの予感が漂う。

 ◆吉本 ひかる(よしもと・ひかる)1999年(平11)2月25日生まれ、滋賀県出身の22歳。9歳からゴルフを始め、高校3年時の16年に下部ツアーで史上4人目のアマチュア優勝。17年プロテスト合格。中島敏雅プロに師事。1メートル52、53キロ。

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2021年3月3日のニュース