森会長「辞任するという考えはありません」会見全文(2)

[ 2021年2月4日 15:54 ]

会見で謝罪する森喜朗会長(Tokyo2020公式ライブ配信より)

 女性蔑視とも取れる発言で物議を醸している東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が4日、都内で会見を行った。会見の冒頭で語った森会長との一問一答は以下の通り。

 ――今回の発言で国内外のメディアから批判が上がっている。辞任をする考えは浮かんだのか。
 
 「辞任するという考えはありません。私は一生懸命、献身的にお手伝いして7年やってきたわけですので。自分からどうしようという気持ちはありません。皆さんから邪魔だと言われれば。まあ、おっしゃる通り、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから。そしたら掃いてもらえばいいんじゃないですか」

 ――IOCは五輪における男女平等を掲げている。日本でもジェンダーバランスを同じようにする努力をしていく中での発言だったが、大会のトップとして世界にどう説明していくか。

 「あのー、分かりました。これ以上のことを申し上げても、誤解が誤解を生むし。必ずしも今までここにいつも来た方と違う方もおられて。よく分からないこともあるんです。私は組織委員会の理事会に出たわけではないんですよ。JOCの理事会(評議委員会)に評議委員という立場で…僕は評議委員という立場だったかな?。名誉委員という立場だったからそこであいさつをした。それも開会の前にあいさつをしてくれというのがプログラムにあったけども、私は正式なアレじゃないから後から御礼のつもりでごあいさつしますと言って、一番終わってから話させてもらった。私は自分なりに整理していったつもりです。それから、そういうことですよ。組織委員会の理事会と一緒にしておられる方、特に外国は一緒にされるかもしれない。それは皆さんの報道の仕方だと思いますが。あくまでもJOCの評議委員会で私はあいさつしたということです。それは、山下さんの改革は大変大きな改革で、JOCが人事の改革をされる大変な苦労をされている。最初から理事会ではそうとう突き上げを食ったりして難航しておられる。ちょくちょく相談があったものですから、頑張れ頑張れといった後押しをしてきた。ですから、山下さんの最初の大きな仕事としては、もっとも成功してもらわないと。それが人事のことでしたから。そのことはよくできたことを私は評価し、そして山下さんに御礼を申し上げたことをそこで発言をしていた。ですが、政府から来ているガバナンスに対しては、あまり数字にこだわるとなかなか運営が難しくなることもありますよという。そういう中で、私の知っている理事会の話をちょっと引用して、ああいう発言になったということです」

 ――女性の話が長いという発言はラグビー協会の特定の女性理事を念頭に置いたものではなかったか。

「ラグビー協会の理事が誰か。誰がどう話したか私は知りません」
 
 ――発言についてIOCから真偽の問い合わせなどはあったか。

 「さあ。私は分かりませんが。職員は毎日毎日、今日もこれから向こうの朝が明けると、こっちは夕方の頃からいつも会議が始まりますから。そういう話があるかもしれませんが」

 ――森会長から説明される意志は。

「そんな必要はないでしょ。今、ここでしたんだから」

 ――森会長は国民から理解を得られる大会をと話していた。五輪の理念に反する発言と思うが、自身が何らかの形で責任を取らないことが逆に開催への批判を強めるのではないか。

 「はい。ご心配いただいた、といことであればありがとうございます。しかし、あなたがおっしゃるとおりのことを申し上げたじゃないですか。誤解をいろいろ生んではいけないので撤回しますと申し上げている。オリンピック精神に反すると思うからそう申し上げた」

 ――女性登用についての基本的な考えは。会長は多様性を求めているわけでなく、ただ文科省がうるさいからそういう登用の規定が定められているという認識か。

 「いや、そういう認識ではありませんよ。女性と男性しかいないんですから。もちろん両性というのもありますけどね。どなたが選ばれたっていいと思いますから。あまり僕は数字にこだわって、何名までにしないといけないということは一つの標準でしょうけどね。あまりこだわって無理なことはなさらん方はいいなということを言いたかったわけです」

 ――文科省がうるさいから、というのは数字がという意味か。

「うるさいからというのは…。そういうガバナンスが示されて、みんながそれを守るために皆さん苦労しておられるようです。私は今もう、どこの連盟にも関係しておりませんので。ただ、いろんな話はいろいろ入ってきますから。そんな話を総括して、難しいですよと山下さんに申し上げているんですよ」

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2021年2月4日のニュース