「組織委に中止計画があるのは間違いない」 ロンドン五輪組織委ミルズ氏、東京五輪の中止可能性を明言

[ 2021年1月21日 05:30 ]

五輪開催 渦巻く懐疑論

新国立競技場とJOCビル前の五輪マーク
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 12年ロンドン五輪・パラリンピック組織委員会で副会長を務めたキース・ミルズ氏(70)が19日放送の英BBCラジオで、新型コロナウイルスの世界的な感染状況から東京五輪は中止の可能性が高いとの見解を示した。日本国内の世論調査や海外メディアで開催への悲観論が高まる中、五輪運営の難しさを知る人物の発言は波紋を広げることになりそうだ。

 実業家としても知られるミルズ氏は、五輪組織委を支えた自身の経験から言い切った。

 「世界中のパンデミックの状況を見ると、開催できそうにないと言わざるを得ない。もし私が東京五輪組織委員なら中止の計画を立てているだろう。東京の組織委に中止計画があるのは間違いない」

 仮に計画があったとしても、ミルズ氏は開催可否の判断は1、2カ月以内と推測。ワクチンの早期普及や感染状況の劇的な改善を見据え「最後の最後まで絶対に中止のプランは実行しないと思う」と強調し、パリで開催される予定の次回24年への再延期は調整の難しさから否定的だった。

 20万人が関わったというロンドン大会の経験から五輪を「運営するのが非常に複雑。政府の各関係機関や国全体に影響を及ぼす」と形容したミルズ氏。世界最大のスポーツイベント開催へ「最高の選手がいなければメダルの正当性が失われる。どれだけの国の選手が安全に東京に来て競技をできるかが判断材料になる」と指摘した。

 一方でロンドン五輪組織委会長で現在は世界陸連会長や国際オリンピック委員会(IOC)委員を務めるセバスチャン・コー氏(64)は英スカイニューズで「中止にはならないと思う」と語った。日本人が持つ不屈の精神や回復力、抜け目なさを挙げ「目が覚めると他の場所ではなく、日本が問題に対応していることに感謝するんだ」と発言。「異なる形になるだろう」と観客制限などに理解を示した上で開催国への信頼感を口にしたが、裏付けや根拠は乏しかった。

 ロンドン五輪組織委のトップ2人で分かれた見解。開催か中止の決定を左右するわけではないが「難しい決断。彼ら(東京五輪組織委)の立場になりたくない」というミルズ氏の言葉は、状況の深刻さを際立たせていた。

 【最近の五輪懐疑論】
 ☆確信なし IOCのディック・パウンド委員(カナダ)が日本での緊急事態宣言の再発令を受け、東京五輪開催の保証はないとの見解を示したとBBCが7日に報道。「私は確信が持てない。誰も語りたがらないが、ウイルスの急増は進行中だ」と語った。

 ☆再延期論 ボート男子で92年バルセロナ五輪から4連覇したマシュー・ピンセント氏(英国)が11日、東京五輪を24年へ再延期すべきとの持論をツイッターで展開。「東京には24年まで延期できる選択肢を与え、パリは28年、ロサンゼルスは32年と開催時期をずらすべき」と訴えた。

 ☆中止危機 米紙ニューヨーク・タイムズが15日、東京五輪の開催見通しが厳しさを増し、初の中止に追い込まれる可能性があると報道。国内やIOC関係者らの間で安全な五輪開催は不可能との声が出始めたと指摘した。

 ☆国連関与 IOC元副会長で名誉委員のケバン・ゴスパー氏(オーストラリア)が16日、東京五輪の開催可否の判断を国連に委ねることを提案。「単なるスポーツの問題や国益に関連する問題を超えている」と指摘し「第三者を探している場合は国連に行き、大会をこのまま進められるか解決や関与を求めてみてはどうか」と話した。

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