正代 薄氷勝利で2敗守った!隠岐の海「勇み足」で命拾い「この一番は大きい」

[ 2021年1月21日 05:30 ]

大相撲初場所11日目 ( 2021年1月20日    両国国技館 )

懸賞金を手に引き揚げる正代(撮影・河野 光希)
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 大関・正代が2日連続の薄氷の勝利で2敗を守った。取り直しとなった隠岐の海戦は相手に勇み足があり軍配差し違えで勝利。1敗で単独トップだった大栄翔が阿武咲に敗れたため首位に並んだ。大関・朝乃山は隆の勝をはたきこみで下して8勝3敗と勝ち越し、カド番を脱出。明生も宝富士を撃破し、3場所連続となる勝ち越しで3敗を守った。

 際どい勝負を粘りとツキでものにした正代は花道で顔をしかめた。内容的には「良くなかった」と反省し「この一番を拾えたのは、今後大きくなる」と自身に言い聞かせるように振り返った。

 前日は土俵際でもつれたが、起死回生の突き落としで遠藤に勝利。この日も過去4勝5敗の隠岐の海に苦しめられ2番取った。最初の一番では攻め込んだが、土俵際で突き落とされ、軍配は相手に上がった。物言いがついて同体と判断され、命拾いした。取り直しでは、相手得意の左を差されて防戦一方となった。徳俵に詰まって粘るが、体を預けられ仰向けに倒された。軍配は隠岐の海。しかし、再び物言いがついて、相手の右足が先に出る勇み足で勝ち名乗りを受けた。綱渡りの勝利で2敗を死守。「どこで物言いになったか分からなかったけど、もしかして(足が)出ていたのかな、とも。流れは来ている」と前向きに捉えた。

 新大関場所で途中休場し2場所目でカド番。その重圧は相当なものがあったというが、この日は「違う緊張があった。硬かった」と漏らす。そんな中でも勝利をつかみ、一時は2差つけられた大栄翔に並んだ。八角理事長(元横綱・北勝海)も「ツキを持ってこのままやってほしい。勝ち星を拾っていくことも大事。(結果を)いい方に持っていかないとね」と看板力士の奮起を促した。

 現行制度になった1969年名古屋場所以降、カド番大関の優勝は過去8度あるが、初のカド番での制覇は貴ノ花(後の貴乃花)、魁皇の2人だけ。残り4日間の抱負を問われると「意識はしないように。一番一番」と平常心を強調した。

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