【荒磯親方 真眼】“私的技能賞”は明生 お手本通りのはず押し 宝富士撃破を評価

[ 2021年1月21日 05:30 ]

大相撲初場所11日目 ( 2021年1月20日    両国国技館 )

宝富士(右)を押し倒しで破る明生(撮影・会津 智海)
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 もし私が三賞選考委員を拝命していたなら、今場所の「技能賞」には明生を推薦したい。宝富士戦は、そう思わせる素晴らしい攻めでした。ポイントは相手の左の脇の下へのはず押し。下から突き上げるように押し上げ相手の利き腕を殺して攻め立てました。私も対戦経験がある宝富士は重さも粘りもある難敵です。その相手を崩したのは立派。まさしく、お手本のような内容でした。

 はず押しは派手さはないものの、基本中の基本。私も現役中は左のはずをベースにおっつけや、上手を取るなど攻めを派生させていきました。どの力士も頭には入れていますが、いざ実戦で出し切れない。脇の下という急所を的確に攻めた明生の攻め。日頃の鍛錬の成果を発揮し、技術の高さを感じました。自信を持っていいと思います。

 12日目は2敗の大栄翔に挑戦します。立ち合いから激しい攻防が見られると思いますが、2人の今後を占う意味でも大きな一番となりそうです。(元横綱・稀勢の里)

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2021年1月21日のニュース