摂南大は未勝利で終戦、三田村直輝主将が意地のトライ「準備や気持ちは勝てた」

[ 2020年12月6日 18:00 ]

ムロオ関西大学ラグビーAリーグ5位決定戦   摂南大33―55立命大 ( 2020年12月6日    京都市・宝が池球技場 )

<関西大学ラグビー順位決定戦 摂南大・立命大>前半ロスタイム、インターセプトから敵陣を走り切り、同点トライを決める摂南大・三田村(撮影・北條 貴史)
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 摂南大は1勝が遠かった。前半はFWとバックスが一体になった幅広いアタックで立命大を苦しめ、19―19で折り返した。しかし、後半最初のトライをモールで失うと、スクラムでも押された。セットプレーで傷口がどんどん広がり、流れを押し戻せなかった。

 反則も多かった。前後半計12個のペナルティーは、立命大の5の倍以上も犯した。大差で敗れた。

 「(監督の)瀬川さんにキャプテンに指名されたときは、最初不安で。キャプテンをする機会が今までなくて、どう引っ張っていいのか分からなかった。でも、最後の試合も、自分は点差が開いて落ち込むところがあったが、仲間が励ましてくれた。濃い4年間だった。最後は負けたけど、気持ちや準備は勝てたと思う」

 SH三田村直輝(4年)は、感傷交じりに大学ラストゲームを振り返った。前半ロスタイム。相手の不用意なパス回しを見逃さず、中央ライン付近でインターセプトし、そのまま走りきって同点トライを挙げた。勝つんだ、絶対に勝つんだ―。強いメッセージを、背中で示した。

 入学当初、「僕らの代はルールの面でデキが良くなかった」と苦笑いで振り返る。やんちゃな学年も、学年を重ねることに取り組み姿勢が変化した。

 瀬川智広新監督(50)も最終学年をねぎらった。

 「試合に出られない4年生が準備に参加するようになったり、チームとして勝ちたい思いが強くなっていた」

 東芝でトップリーグ連覇、16年リオデジャネイロ五輪(7人制)でニュージーランド代表を撃破した名将の就任1年目は、成績面では苦しかった。グループ戦は3戦全敗。近大が新型コロナウイルス関連で棄権したため、この5位決定戦に臨んだ。しかし、最後まで白星をつかむことはできなかった。

 「4年生はいきなり監督が代わって、あれせー、これせーと言われて…。それを受け入れてくれた。自分自身が勉強できた。学びの多さが、学生を指導するやりがいの一つ。難しさは、キャプテンを含めて1年間一緒にチームを作ったけど、卒業をしてしまう。それが社会人との違い。4年で終わらせるのではなく、文化として根付かせることが課題。4年生と過ごしたこの1年の成果を、2年目に大きくできるようにしたい」

 リーグの全日程が終了。特例により入替戦は行わない。指導経験豊かな瀬川監督がまく種は、これから徐々に実を結ぶはずだ。

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2020年12月6日のニュース