秋の活動を断念したラグビー日本代表 協会と現場の意思決定に求められる「ONE TEAM」
ラグビー日本代表の秋の活動が見送りとなった。新型コロナウイルスの影響で、6、7月に予定されていたウェールズ戦、イングランドとの2試合もキャンセル。昨年のW杯で史上初の8強入りを果たした日本代表にとって、次なる23年W杯への再スタートの年が、まさかの空白の1年に。ちょうどW杯開幕が迫っていた1年前、誰がこんな状況を想像できただろうか。
14日のオンライン会見で、ギリギリまで方策を探ってきた岩渕健輔専務理事は「問題意識を強く持っている」、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチは「非常に残念」と述べた。新型コロナを考慮すれば、国内で試合を組もうが、海外に遠征しようが、一定数の否定的な世論にさらされていたであろうことは想像に難くない。それでも代表戦が1試合もないという事態は、両氏同様、純粋に残念との思いを禁じ得ない。
会見で2人が繰り返したように、2月中旬から実戦を離れている日本の選手が11月にティア1と対戦するには、最低でも今の時期から強化合宿をする必要があった。当然ながらそれ以前に対戦カードが決まり、選手の各所属チームの承諾を得て、渡航準備を整え、出入国に関する問題をクリアにしておく必要がある。ちょうど1カ月前は、第二波の真っ只中にあった日本。その状況下で交渉相手も含め、前向きにマッチメークを進めることが難儀だったことは想像に難くない。だからこそ、ジョセフ・ヘッドコーチが「一息、ブレークを取る時間ができた」とポジティブに捉え、「選手の安全を第一に考えて下した結論は正しい」と述べたことも、理解したい。
一つはっきりしているのは、来春は必ず代表戦を実現しなければならないということ。もちろんコロナの状況によっては、直前に中止となる可能性は否定できないが、可及的速やかにワールドラグビーや各国協会と交渉を進め、カードを確定させる必要がある。海外報道ベースでうわさされるライオンズ(全英愛代表)との対戦に紐づけ、当初この秋に対戦予定だったアイルランドやスコットランドと敵地で対戦するプランも浮上していると聞く。いずれにしても1日も早く発表することが、当面の針路を失っている日本代表、そして彼らを支えるファンに、再び希望を持たせることになる。
一方で今後のゆくえに、やや不安を感じた点がある。会見の中でジョセフ・ヘッドコーチが明かしたように、ニュージーランド協会とも対戦へ向けた交渉が水面下で進んでいた。複数の関係者によれば、まずはマイター10カップ(州代表選手権)の複数チームと腕試しをし、マオリ・オールブラックスとの対戦を経て、最後にオールブラックスと相見えるという、より具体的なプランのオファーが届いていたことも分かっている。時期はオータム・ネーションズカップとの名称に落ち着くことになった、欧州の国際大会への参戦オファーが届く前であり、ジョセフ・ヘッドコーチを通じて日本協会に打診があったという。
だが結果的に王国からのオファーを蹴り、日本は欧州へ向かおうとした。現場サイドはジョセフ・ヘッドコーチらコーチ陣の移動負担や渡航リスクが少ないニュージーランド行きを望んでいたという。どのような意思決定により、現場の最高責任者たるジョセフ・ヘッドコーチの希望が反映されない事態となったのか。
より早い段階でマッチメークが固まっていれば、その他の準備に費やす時間も十分あったはずで、試合が実現していた可能性はある。一方で強化の上で最善の対戦カードを模索した結果だとしたら、それはそれで否定はしない。ただ今後に向けては、あらかじめ協会側と現場側が、もっと意思疎通を図らなければならないだろう。協会側はドル箱である代表戦をできるだけ魅力的なカードにしたいし、昨年のW杯前も代表候補がスーパーラグビーのBチームと対戦したように、ジョセフ・ヘッドコーチ側には信念と言うべき強化の腹案があるはずだ。双方のボタンの掛け違いにより、マッチメークが後手に回るようなことは、今後二度とあってはならない。
11日には各トップリーグチームの強化トップがオンライン上で一堂に会し、来年以降の強化プランが披露された。会議では7月の日本協会理事会で藤井雄一郎ナショナルチームディレクターが提示したという、トップリーグの上位チームとスーパーラグビーのチームが対戦する案も示され、賛同を得たという。年を越せば、早くもW杯中間年。スピード感、一体感を持った代表強化の舵取りが求められている。(阿部 令)
2020年9月17日のニュース
-
松山英樹 初メジャー制覇へ幸先よし5番バーディー
[ 2020年9月18日 03:00 ] ゴルフ
-
石川遼 15年以来の全米OPで好発進 前半1アンダーで折り返し
[ 2020年9月18日 03:00 ] ゴルフ
-
荒磯親方 照ノ富士に感じる“地獄を見た強さ”
[ 2020年9月17日 23:12 ] 相撲
-
前澤友作氏「千葉県内のゴルフ場を譲って」ツイッターで呼びかけ
[ 2020年9月17日 20:48 ] ゴルフ
-
ウッズ「ここが1番か2番目」14年前予選落ちの難コースを警戒
[ 2020年9月17日 20:42 ] ゴルフ
-
男子下部ツアー挑戦の三浦桃香、141位で予選落ち「悔いのないゴルフができました」
[ 2020年9月17日 20:33 ] ゴルフ
-
朝乃山復調!?連勝に八角理事長は「いい相撲だね。これを忘れないこと」と中盤戦の巻き返しに期待
[ 2020年9月17日 19:00 ] 相撲
-
朝乃山、3連敗後は連勝 平幕・阿武咲が唯一の5連勝 貴景勝は4勝目
[ 2020年9月17日 18:05 ] 相撲
-
五輪組織委の森会長、安倍前首相に新ポストを検討 萩生田文科相と橋本五輪相が訪問
[ 2020年9月17日 18:03 ] 五輪
-
小杉康之 プレーオフ制し逆転初V 九州シニアゴルフ
[ 2020年9月17日 17:21 ] ゴルフ
-
北の富士勝昭氏 NHK相撲解説を“休場” 実況アナが説明「腰の痛みによって残念ながら」
[ 2020年9月17日 16:10 ] 相撲
-
夢道鵬 3連勝で勝ち越し王手!18歳最後の日飾った「前に出て勝てた」
[ 2020年9月17日 15:15 ] 相撲
-
トップリーグNECで2選手がコロナ感染 当面チーム活動停止、全部員が自宅待機
[ 2020年9月17日 15:13 ] ラグビー
-
小祝さくら “黄金世代一番乗り”賞金2億円突破間近も「桁数…数えるの止めた」
[ 2020年9月17日 15:01 ] ゴルフ
-
フェンシング佐藤希望「検査の方が緊張」コロナ感染予防講じて全日本開幕
[ 2020年9月17日 14:49 ] フェンシング
-
山県亮太、全日本実業団対抗選手権を欠場 10・1開幕日本選手権の調整に集中
[ 2020年9月17日 14:47 ] 陸上
-
今井月「結果で恩返しを」 コカ・コーラ寄付金贈呈式
[ 2020年9月17日 13:55 ] 水泳
-
車いすテニス上地結衣 全米後初の公の場「東京に向けてヒントがたくさんあった」
[ 2020年9月17日 13:52 ] テニス
-
秋の活動を断念したラグビー日本代表 協会と現場の意思決定に求められる「ONE TEAM」
[ 2020年9月17日 11:58 ] ラグビー
-
ジェームズが「オールNBA」に16回目の選出 ブライアントらを抜いて歴代単独最多!
[ 2020年9月17日 08:00 ] バスケット
-
畑岡奈紗「ポートランド・クラシック」出場取りやめ 山火事による大気汚染の影響考慮
[ 2020年9月17日 07:18 ] ゴルフ
-
【22歳の浅田真央】ソチシーズンで引退?「今は、そのつもりで」
[ 2020年9月17日 07:08 ] フィギュアスケート
-
朝乃山、やっと白星!三役以上全勝消えて反撃態勢
[ 2020年9月17日 05:30 ] 相撲
-
【荒磯親方 真眼】朝乃山、地に足ついた相撲で“軽さ”解消を
[ 2020年9月17日 05:30 ] 相撲
-
翔猿、快進撃止まらん!医療従事者に感謝の青まわしで無傷の4連勝
[ 2020年9月17日 05:30 ] 相撲
-
阿武咲、無傷の4連勝「集中できている」
[ 2020年9月17日 05:30 ] 相撲
-
照ノ富士、正代に雪辱果たす「明日から一日一番できることをやる」
[ 2020年9月17日 05:30 ] 相撲
-
隆の勝、快進撃3勝目「こんなに勝てるとは思っていなかった」
[ 2020年9月17日 05:30 ] 相撲
-
渋野 米2戦目“山火事中止”も…ポートランド・クラシック、大気汚染悪化で3日間開催へ短縮
[ 2020年9月17日 05:30 ] ゴルフ
-
松山英樹 15年覇者スピースらと同組に 17日開幕全米OP
[ 2020年9月17日 05:30 ] ゴルフ
-
鈴木愛“大坂流”で前向き 18日開幕デサントレディース
[ 2020年9月17日 05:30 ] ゴルフ
-
“黄金世代”三浦桃香 男子下部ツアー参戦で出遅れ102位発進
[ 2020年9月17日 05:30 ] ゴルフ
-
宮崎忠さんV スポニチゴルフサーキット9月大会
[ 2020年9月17日 05:30 ] ゴルフ
-
西岡良仁 ツアー再開後初勝利 20年初勝利の全仏へ「自信」
[ 2020年9月17日 05:30 ] テニス
-
フェンシング三宅 8月に一般女性と結婚 コロナ禍ウーバーイーツでアルバイト
[ 2020年9月17日 05:30 ] フェンシング
-
安久詩乃 2位発進で決勝トーナメント進出 アーチェリー全日本学生個人選手権
[ 2020年9月17日 05:30 ] アーチェリー