荒磯親方 照ノ富士に感じる“地獄を見た強さ”

[ 2020年9月17日 23:12 ]

大栄翔(左)に勝った照ノ富士(撮影・村上 大輔)
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 【荒磯親方 真眼】照ノ富士は踏み込みがしっかりしていて我慢もできていました。左上手が取れないと思った瞬間に左からのはず押しに変えて、大栄翔の右からの攻めを半減以下に抑えました。突き押し相撲が嫌がるのは脇の下に手を入れられること。赤ちゃんが高い高いをされると何もできなくなるのと同じです。あそこまでポイントを押さえられてしまうと、大栄翔もたまったものではありません。

 大関時代は上から左のまわしを取りにいって、右から抱え込んで相手を押さえにいく相撲でした。今はしっかり踏み込んでから、前傾姿勢を保ちながら攻めています。本当に理想的な相撲。4日目の正代戦も右のおっつけで体を浮かせたように、立ち合いで勝負ありでした。

 そのような相撲を取っていれば、ケガもしません。両膝のケガなどで序二段まで落ちましたが、技術力がアップして戻ってきました。地獄を見た力士の強さが感じられます。(元横綱・稀勢の里)

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2020年9月17日のニュース