女子マラソン ダイハツ・山中美和子監督 スピードを意識させる「ジョギングの極意」

[ 2020年5月13日 05:30 ]

メダル獲り極意「五輪書」

ダイハツ陸上・女子長距離の山中美和子監督
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 剣豪・宮本武蔵の兵法書「五輪書」にちなんで、五輪競技の指導者のモットーを紹介する。今回は陸上・女子長距離の強豪、ダイハツを率いる山中美和子監督(41)。チームに受け継がれる「ジョギングの極意」を聞いた。

 ダイハツの山中監督というフィルターを通ると、ネガティブなこともポジティブになって出てくるようだ。芯が強い松田瑞生をコントロールして大阪国際で優勝に導いたのも、「私って、選手に体重が増えてるよねってダイレクトに言ってしまうんです」という後腐れがない性格だからだろう。

 カラッとしているが、指導は甘くない。朝や練習間のジョギングにはこだわりを持つ。

 「うちの練習はよく“これだけ?”って言われるくらい強度が高くない。だからジョグでスピードを上げる」

 速さを求めるものの、ペースを守るか守らないかは基本的に選手任せ。「たらたらジョグをしていると頭打ちになるよ」とハッパをかけて自発性をうながす。鈴木従道、林清司という歴代監督の教えを受け継ぎ、「土台ができると、きつい練習もできるし、ケガも防げる」と、日々の取り組みでスピードへの意識を高めさせる。

 現役時代はスピードランナーだった。今も残る3000メートルの中学記録保持者だ。実質初マラソンだった03年大阪国際は「2時間21分台で走れる」という前評判を得ていた。しかし、故障で途中棄権。度重なる疲労骨折にも悩まされ、以後、42・195キロを走ることはなかった。

 同じ思いを味わせたくない気持ちは強い。異変を察知すれば、強制的にまとまって休ませる。「選手は、指導者に痛いって発信できないから」という言葉は、過去の自分の教訓を元にしている。

 引退してからコーチになるまでの間に、母校の筑波大の大学院に入り、コーチングを勉強した。14年には米国のニューメキシコ大に1年留学。両環境でアシスタントコーチをした経験は今に生きる。コーチを10年務め、昨年10月、五輪選手を多く輩出した監督に昇格した。「選手が目標にしていることをかなえてあげたい」。愛情の裏返しのストレートな言葉で、強豪を引っ張っていく。

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