日本新へ!うちなーんちゅ陸上人口増加へ!走り幅跳び・津波、沖縄勢2人目の五輪出場目指す

[ 2020年5月13日 05:30 ]

Challenge 新たな挑戦

19年、ドーハ世界陸上で跳躍する津波響樹(撮影・小海途 良幹)
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 陸上・走り幅跳びの津波(つは)響樹(22)は、陸上競技における沖縄県勢2人目の五輪出場に期待がかかるホープだ。昨年8月に日本歴代4位の8メートル23を跳び、東京五輪の参加標準記録の8メートル22を突破。今春、大塚製薬(徳島県鳴門市)入りし、母校・東洋大を拠点にしたまま、ジャンプを磨く。このほどスポニチの電話取材に応じ、子どもの競技人口が少ない郷土に陸上熱を起こすことを誓った。

 故郷を背負って立てるのは、アスリート冥利(みょうり)に尽きる。走り幅跳びの津波は「日本だけでなく、沖縄の代表としてという気持ちはあります」と県勢の誇りを口にした。既に東京五輪参加標準記録をクリア。沖縄県勢2人目の陸上の五輪代表という名誉は、手が届く位置にある。

 昨年8月の福井県営陸上競技場で、歴史的な記録ラッシュが起きた。橋岡優輝が27年ぶりに日本記録を更新した直後、城山正太郎が8メートル40の大ジャンプでさらに塗り替えた。持ち味のスピードを生かす踏み切りができた津波は、2人に敗れたとはいえ、自己記録を14センチも上回る日本歴代4位の8メートル23を出した。

 早々に「参加標準」を切った意義は大きい。新型コロナウイルスの影響で11月末までの記録は五輪出場資格の対象外になった。現時点で突破しているのは、大きなアドバンテージといえる。

 県勢は72年ミュンヘン五輪に男子三段跳び代表の具志堅興清が1人五輪に出ただけで、後が続いていない。東洋大進学を機に故郷を離れた津波には、その理由に思い当たる節がある。

 「沖縄って中学でも陸上部が少ないんですよ。関東は小学生でも多いのに。全国的に見ると盛んではないです。野球、サッカーをしている人は多いけど」

 全国中学校体育連盟の資料が津波の言葉を裏付ける。19年度、県内の中学生部員は男女ともに全国最低の360人(男145人、女215人)。最多は大阪で、男女計1万5805人だった。座安小の6年間、祖父・国吉真豊さんが監督をする「豊見城JRC」で陸上をしながら、伊良波中でハンドボールをしたのも陸上部がなかったからだ。

 今春、社会人になった。大塚製薬の練習施設がある徳島に行かず、これまでと同じ東洋大を拠点にする。今は自宅トレを続けながら前だけを見つめる。「沖縄は陸上人口が少ないから、ちょっと活躍すれば目立つ。それを見て、陸上をしたいと思う人が増えてくれれば」。17センチ差ある日本記録の8メートル40は「超せる」と揺るぎない。1メートル68の小柄な体から繰り出す大ジャンプが、故郷を明るく照らす。

 ◆津波 響樹(つは・ひびき)1998年(平10)1月21日生まれ、沖縄県豊見城市出身の22歳。那覇西高で走り幅跳びを始め、3年で全国高校総体6位。東洋大2年と4年時に日本学生対校選手権優勝。世界ランキング29位。埼玉県川越市で1人暮らしをし、得意料理は郷土の名物「タコライス」。短距離の桐生祥秀が憧れの存在で、一緒のグラウンドで練習をする。1メートル68、63キロ。

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