データで見る八村の第35戦 アリウープはどこへ行った?

[ 2020年2月29日 14:34 ]

ジャズ戦で15得点をマークしたウィザーズの八村(AP)
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 ボールをリング付近に“浮き球”として投げ、それにターゲットとなった選手が空中でキャッチすると当時にレイアップ、もしくはダンクを叩き込むことを「アリウープ」と言っているが(もともとはNFL用語)、ウィザーズの八村塁(22)は今季35試合の出場でまだ4回しかこのパターンでの“フィニッシャ―”となっていない。

 ジャズ戦の第1Q残り8分、正面やや右で八村からボールを受けてインサイドに切れ込んだジェローム・ロビンソン(23)が、右斜め後方からリングに接近していた八村の存在に気が付いていれば別の選択肢があったと思うのだが、彼は無理な体勢からのレイアップを外している。

 本来のポイントガード、ジョン・ウォール(29)がアキレス腱の故障からまだ復帰していない現状にあって、ウィザーズにはレイカーズのライジョン・ロンド(34)やサンダーのクリス・ポール(34)といったパサーがいない。ブラドリー・ビール(26)はきわめて得点力のあるガードだが、いったんランニング・ステップに入ると最後までシュートに持っていこうとするので、相手を引きつけたあとにアリウープという選択肢を持っているプレーヤーではない。

 八村が決めた今季のフィールドゴール(FG)の68・2%はアシスト付き。つまり1対1で突破を図って攻めるタイプではなく、スペースを見つけて入り込み、そこでパスを受けてシュートを放つタイプのフォワードだ。

 同じようなタイプにゴンザガ大でチームメートだったグリズリーズのブランドン・クラーク(23)がいるが、アシスト付きのFGは83・5%。八村と大きく違っているのは、クラークは出場50試合で46回のアリウープ(成功は36回)を試みているところだろう。それがアシスト付きのシュート成功数を増やしている要因でもある。

 ドラフト全体トップで指名されたペリカンズの怪物フォワード、ザイオン・ウィリアムソン(19)のアシスト付きのFGは77・6%。28日のキャバリアーズ戦ではFG成功11回のうち10回までアシストを記録したチームメートがいた。しかも出場14試合でアリウープは早くも16回。八村の半分以下の試合数で4倍もの“スカイプレー”に絡んでいる。

 ウィザーズが対戦したジャズには最優秀守備選手に2季連続で選出されているセンターのルディー・ゴベア(27)がいて、この日も八村を2度ブロック。1対1でまともに対決するとブロックショットという“必殺技”が待っている。だからガードがインサイドに切れ込んだ際には、ゴベアのカバーを想定してもうひとつ別の「駒」を動かしてアリウープの可能性を模索した方がいいと思うのだが、なぜかジャズ戦に限らず、ウィザーズはこの戦術を多用していない。

 クラークにはドラフト全体2番目に指名された新人のポイントガード、ジャー・モラント(20=今季平均6・8アシスト)がいて、ウィリアムソンにはベテランのドリュー・ホリデー(29=同6・8)と若手のロンゾ・ボール(22=同6・8)という2人のパサーがいる。ある意味、アリウープを仕掛けるガードがいれば八村は大きな“伸びしろ”を残している選手とも言えるのだが、それを開花させるにはやはりウォールの復帰を待つだけなのか?強引に突っ込んでしまったロビンソンのプレーを見て、ウィザーズの課題がうっすら見えてきたような気がする。(高柳 昌弥)

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