【荒磯親方 真眼】遠藤 脳と体が一致してきた成長一途のベテラン

[ 2020年1月14日 08:17 ]

大相撲初場所2日目 ( 2020年1月13日    両国国技館 )

遠藤(上)に切り返しで敗れ悔しがる白鵬(撮影・郡司 修)
Photo By スポニチ

 遠藤は白鵬の立ち合いを研究していたのでしょう。私は白鵬が右から張って左四つになると予想していましたが、白鵬は左から張って右からかち上げてきました。横綱は私の予想の上をいきましたが、遠藤はそこからさらに上をいっていました。立ち合いはちょっと左にずれている感じで、そこから駆け引きが始まっていました。

 左に動いて左四つになり、そこで体の寄せのうまさが出ました。密着できずに隙間ができると、横綱の投げは遠心力、回転力が強いので巻き込まれてしまいます。それを阻止するには腰をぶつけて体を寄せることしかありません。白鵬からすれば、隙間がないところで投げたことによって体勢がどんどん悪くなり、左を深く差されてしまいました。

 昔から期待されている力士ですが、ベテランになって力の出し方、体の使い方がうまくなってきました。脳と体が一致してきている感じです。若手が注目されるようになってきて思うところもあるはず。ここからまだまだ強くなっていくと見ています。(元横綱・稀勢の里)

続きを表示

2020年1月14日のニュース