バド桃田賢斗 マレーシアで交通事故 全身打撲、眉間部裂傷、唇裂傷、大量出血…「鼻骨折の疑いも」

[ 2020年1月14日 05:30 ]

衝突事故で顔を負傷し、病院でマレーシア首相夫人から見舞いを受ける桃田(ベルナマ通信提供)
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 マレーシアの首都クアラルンプール近郊のプトラジャヤで13日、同国の国際大会に出場していたバドミントン男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)らを乗せたワゴン車が大型トラックと衝突し、ワゴン車の運転手が死亡、桃田らが負傷した。日本バドミントン協会の発表によると、桃田は顎部(がくぶ)、眉間部、唇の裂傷のほか鼻を骨折した疑いもあるという。東京五輪の金メダル候補が大惨事に巻き込まれた。

 日本のエースに、不慮のアクシデントが起きた。日本協会の発表によると、桃田らを乗せたワゴン車は13日の午前5時すぎ(日本時間午前6時すぎ)、宿泊先のホテルからクアラルンプール国際空港へ移動中に交通事故に遭遇。桃田ら日本人3人を含む5人を乗せたワゴン車は高速道路で大型トラックと衝突した。運転席が完全につぶれるほどの衝撃で、衝突した大型トラックは30トン以上という現地報道もある。

 この事故によりマレーシア人の運転手は死亡。日本選手団の平山優コーチは右脛(すね)裂傷、歯の損傷、全身打撲、同行スタッフの森本哲史トレーナーは右前腕骨折、脳振とう、全身打撲の診断を受けた。桃田は顎部裂傷、眉間部裂傷、唇裂傷、全身打撲。眉間から大量出血しており、縫合手術を行った。3人はいずれも命に別条はないが、森本トレーナーは別室で治療を受けている。桃田は自力で歩ける状態で、日本協会のスタッフとも電話で話すなど意識ははっきりしている。マレーシアの警察当局などによると鼻を骨折しているという。

 桃田は5日未明に羽田空港からマレーシアに出発。「感謝の気持ちと初心を大事にバドミントンに取り組んでいきたい」と話していた。事故前日の12日にマレーシア・マスターズで優勝を飾ったばかり。下肢の炎症のため、きょう14日開幕のインドネシア・マスターズ(ジャカルタ)の欠場が決まっており、次戦のジャカルタに向かう日本代表本隊より約30分早く宿舎を出発。クアラルンプール国際空港から帰国を予定していた最中にアクシデントは起きた。ワゴン車の2列目には桃田、森本トレーナー、3列目には平山コーチ、大会技術スタッフが座っていた。

 今後は日本協会、マレーシア協会、世界連盟、日本大使館が連携しながら情報収集に当たる。帰国時期は未定。同協会の広報担当は「経過観察が必要になるため、今後の予定は分からない」とした。死者も出た惨事でPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの懸念もあるだけに同担当は「精神的な部分のケアも必要になる」と語った。

 くしくも、リオ五輪イヤーの16年4月に違法賭博問題が発覚したのもマレーシア滞在中だった。あれから4年。競技復帰を果たして世界選手権を連覇。東京五輪出場を確実にしたトップランカーに、思わぬ悲劇が襲った。

 《一番怖いのは首》横浜市・松宮整形外科松宮是哲院長 交通事故でも骨折はめったにないが、相当な衝撃を受けている。ただ長引いても1カ月だと思う。縫っても1、2週で抜糸、鼻骨が折れていたとしてもプロテクトしながら競技をできなくはない。全身打撲は程度によって大きく違うが、鼻を打っていると一番怖いのは首。頸椎(けいつい)捻挫や首の痛みがなければそれほど時間はかからないが、後になって頭痛や吐き気が出てくると、追加検査が必要になる。

 ◆桃田 賢斗(ももた・けんと)1994年(平6)9月1日生まれ、香川県三豊市出身の25歳。7歳で競技を始め、富岡一中、富岡高を経て、13年にNTT東日本入社。高校3年時に世界ジュニア選手権優勝。15年に日本人初のスーパーシリーズファイナルズ制覇。19年は史上初の国際大会11勝、賞金50万ドル超え。1メートル75、72キロ。左利き。血液型A。

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