桃田、全日本“無敵”連覇 世界ツアー10勝の実力魅せつけた!

[ 2019年12月2日 05:30 ]

バドミントン 全日本総合選手権最終日 男子シングルス決勝   桃田2-0西本 ( 2019年12月1日    東京・駒沢体育館 )

男子シングルス決勝で西本拳太に勝利しガッツポーズする桃田賢斗
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 各種目の決勝が行われ、男子シングルスでは世界ランキング1位の桃田賢斗(25=NTT東日本)が同15位の西本拳太(25=トナミ運輸)を2―0で下し、2年連続3度目の頂点に立った。全日本総合での5試合連続ストレート勝利は自身初。19年の世界ツアー10勝に加え、日本一のタイトルも獲得し、来年の東京五輪金メダルへ弾みをつけた。最激戦区の女子ダブルスは世界ランク3位の永原和可那(23)、松本麻佑組(24=ともに北都銀行)が初頂点に立った。

 冷静沈着な桃田が、吠えた。「ヘイ、ヘイ、ヘーイ!」。マッチポイントの第2ゲーム20―12の場面。大声が会場に響く。手の内を知り尽くした同学年の西本との直接対決。「特に意味はないけど、自分を鼓舞した」。最後はこん身のスマッシュで締めくくり、左拳を突き上げた。「このタイトルを獲りたいと言ってきた。決勝まで自分のペース、自分らしくプレーできた」。静かに喜びをかみしめた。

 安定感が際立つ。今年は世界選手権を筆頭に世界ツアー10勝。今大会でも初めて1回戦から5連続ストレート勝利を挙げた。理想の自分へと近づき「今までは試合前に不安な気持ちがあった。今はコートに入る前に“これだけやってきたから大丈夫”という自信を持ってプレーできている」と手応えを語る。

 悲願の五輪金メダルのため、やれることは全てやる。7月のインドネシア・オープンから世界を転戦する際に個人トレーナーを帯同。体が悲鳴を上げる連戦でも粘り強いラリーが続く。「毎日ケアしてもらえる状態。それがゲーム後半も動ける要因」。今大会前は恩返しの意味も込め、NTT東日本の後輩たちへの指導もこなした。「休め、と言うけど体育館に来る」とNTT東日本の須賀監督。自らに課すノルマは高い。

 五輪前年の全日本総合を制し、正真正銘、日本のエースとして東京五輪へと進む。年内は11日開幕のツアーファイナルズ(中国・広州)が待つ。「一試合一試合を積み重ね、改善していくうちに五輪があれば」。世界のトップランカーの戦いは続く。

 ▽バドミントン東京五輪への道 今年の4月29日から20年4月26日の選考レースを経て20年4月28日発表の世界ランクで決まる。世界選手権や世界ツアーなどの成績を基に加算されたポイントで争う。出場数はシングルス38人、ダブルス16組32人。各種目で1カ国・地域の上限2枠を確保するにはシングルス上位16位に2人以上、ダブルスでは上位8位に2組以上が条件。全日本総合選手権はレース対象外の国内大会。

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