アドベンチャーランナー北田氏 サハラ砂漠1000キロレース初挑戦で完走「想像を超えた自分いた」

[ 2019年11月27日 08:40 ]

無事ゴールを果たした北田雄夫氏
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 世界最大のサハラ砂漠を舞台にした「サハラ砂漠1000キロレース」(正式名称:La1000)に、日本人で初挑戦していたアドベンチャーランナーの北田雄夫(たかお)氏(35)が22日(日本時間)、1000キロのコースを走破し、無事ゴールを果たした。

 2017年に世界7大陸アドベンチャーマラソンを日本人で初走破した北田氏が挑んだこのレースは、アフリカ西部のモーリタニアを舞台に18人がエントリー(※3人棄権し15人が出場)。体感温度40度を超える灼(しゃく)熱地獄で、1000キロのコースを制限時間18日間(ノンストップ)で走り、遭難や砂嵐の危険もある中、北田氏は睡魔や幻覚と戦い、人間の限界に挑戦した。

 北田氏はレース初日に熱中症のため、一時ドクターストップがかかり、停滞を余儀なくされたが、その後回復し、レースを続行した。「他のどの大会よりも難易度が高い。道も目標もなければ、GPSをたどって行くと砂丘にぶつかるし、迂回しようとすれば大幅に遠回りになる。夜はなおさらコースを外れる」と、サハラ砂漠での洗礼を受けて苦戦を強いられた。

 その後、300キロ地点では「カラダがバキバキ。舌も痛い。食欲もある方ではないけど、でも食べないと走れないから、なんとか頑張って食べるしかない。食べるのが一番つらい。体力は全然あるのに」と、悔しさをにじませることも。

 600キロを過ぎて足の腫れとマメによる出血に苦しむ中、日本からSNSで続々と送られてくる応援メッセージに目を通し「皆さんのメッセージ、涙が出るほどうれしかったです。北田氏は残りの約300キロ、皆さんと一緒にゴール目指して頑張ります」と、涙ながらに力強くコメントしゴールを目指すことを誓った。

 最終的に384時間45分(16日と45分)をかけて完走し、6位となった。北田氏は「想像すらできなかったサハラ砂漠1000キロ。つらく厳しい道のりでしたが、いつも応援してくださる皆さんの顔を思い浮かべては元気をいただきました。自分ひとりではなく、みなさんと一緒にチャレンジできたからこそ、ここまで来ることができました。また、やるだけやれば想像を超えたところに自分がいました。そして、まだできると思える自分もいました。これからも前人未到の物語を目指して突き進んでいきます」と、ゴール後に応援メッセージを送ってくれた人たちへ感謝の言葉を伝えた。

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