テコンドー金原会長が退任 検証委員会が新理事に推薦せず 異存やしこり「一切ございません」

[ 2019年11月27日 15:37 ]

会見する全日本テコンドー協会の金原会長(左)と検証委員会の境田委員長
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 強化方針を巡ってトップ選手と対立が続いている全日本テコンドー協会の金原昇会長(65)が退任することになった。同協会の問題を調査する外部有識者の検証委員会が27日、都内で金原会長に対し最後のヒアリングを実施。現執行部の刷新が必要として金原会長を新理事に推薦しないことを伝え、同会長も了承した。今後は1週間以内に新理事約10人が推薦され、理事会と正会員総会を経て年内に新体制が決まる。

 会見した検証委員会の境田正樹委員長(弁護士)は「調査の結果、協会にガバナンスやコンプライアンスの問題はなく、しっかり運営されていた」と明かす一方、「これだけ問題が大きくなり、混乱が収束する見通しが立たない。体制を改めないと今後の発展が見込めない」と説明した。混乱の原因については「お金がない団体で、かなり無理をして運営してきた。そういう歪みがいろんなところに出た。人材と予算があればもう少し回った。かみ合わない間に選手の不満がたまっていった」と分析。新理事候補にはバスケットボールBリーグ千葉の島田慎二会長が推薦されることを了承しており、境田委員長は「千葉を日本一のクラブにした実績を生かして、スポンサーや人を集め、スター選手を育ててほしい」と期待した。

 境田委員長と並んで会見した金原会長は「私が再任するかしないかは大きな問題ではない。テコンドーの未来のため、いったん退いて新しい形でやらないといけない。私が描いていた内容でやっていただいて感謝している。境田さんにお願いした時から(退任は)決めていた」とコメント。報道陣からは「異存やしこりはないか?」などの質問が飛んだが、「一切ございません」と繰り返した。混乱の原因となったガバナンスの問題を指摘されると「後悔や反省というより、あらゆる勉強が必要と考えている。協会の運営にはいろいろな人間関係がある。お互いを尊重することが大事だが、仕事を一生懸命やるにあたり、心のガバナンスが足りなかったと反省している」と話した。執行部は退くが、今後もテコンドー協会には協力する意欲を示し、スポンサーとして支える考えも明かした。

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2019年11月27日のニュース