SO田村 「平尾のおじさん」から受け継いだ“司令塔魂” 命日の大一番、歴史的「4強」の扉開ける!

[ 2019年10月20日 07:43 ]

ラグビーW杯2019 準々決勝   日本―南アフリカ ( 2019年10月20日    味スタ )

南アフリカ戦前日練習で笑顔を見せる田村(左)ら(撮影・吉田 剛)
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 南アフリカとの準々決勝は、16年10月20日に胆管細胞がんのため亡くなった平尾誠二さん(享年53)の命日に行われる。司令塔の座を受け継ぐSO田村優(30=キヤノン)は幼少時に「平尾のおじさん」と呼び交流があった。日本ラグビー界にとって特別な一日に、不動の「10番」が勝利を呼び込む。

 故平尾さんと、SO田村には縁がある。幼少時、「平尾のおじさん」と呼んでいた。トヨタ自動車のCTBとして86年に日本一になった父・誠さん(57、W杯組織委員会JRFU連携・レガシー局長)が明かした。

 「私が監督か、コーチか、選手晩年か。試合に連れていった時に会い、そう呼んでいました。ファンクション(試合後の両チーム交流)で何回か会っています。本人は覚えていないでしょうけど」

 誠さんは国学院久我山高3年時に、1学年下の伏見工・平尾さんと高校日本代表合宿で一緒になった。同じSOで練習パートナーだった。それ以来、親交があった。

 かつての平尾さんのように、田村は司令塔として輝きを放っている。高速アタックの起点であり、ディフェンス裏へのキックで相手を混乱に陥れる。故人になかったコンバージョンキックでも大きく貢献。通算48得点と、PG成功10本は1次リーグ1位。4戦全勝に貢献した。

 決戦前日の練習は、公開された15分、笑顔を見せるほどリラックスしていた。今週は会見に登場していないものの、スコットランド戦後は「南アフリカにチャレンジしてベスト4、決勝、まだまだある」とゴールを見据えていた。

 15年の南ア戦には途中出場で金星を経験。再びの巨人狩りは、その右足と頭脳にかかっている。PGで3点を積み重ねてスコアで離されないことが勝利への絶対条件。世界トップのFWのパワーをいかにかわすか。腕の見せどころだ。

 W杯出場8戦中5試合で背番号「10」をつけたミスター・ラグビーの命日に、ジョセフ・ジャパン不動の10番が新たな歴史をつくる。

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