【田中琴乃の目】フェアリージャパン、完璧演技で“5強”時代突入 ライバルの進化に負けぬ成長必要

[ 2019年9月24日 08:18 ]

22日閉幕 新体操世界選手権

種目別と団体種目で金、銀2つのメダルを獲得した
Photo By 共同

 22日に閉幕した新体操の世界選手権(アゼルバイジャン・バクー)で日本が躍進した。団体総合で44年ぶりの銀メダルを獲得し、20年東京五輪の出場権を自力で獲得。五輪で実施されない種目別のボールで金メダル、フープ・クラブでも銀メダルに輝いた。08年北京五輪に出場し、12年ロンドン五輪では主将を務めた田中琴乃さん(28)が、フェアリージャパンを分析し、東京五輪でのメダル獲得に期待を込めた。

 どの国よりも正確に技を実施したことが、日本の表彰台につながりました。ミスで加点を狙えなかった国がある中、日本は演じた作品をパーフェクトにこなせていました。5人の動きがぴったりと合った同時性や一体感という、日本の強みを発揮できていました。

 これまではロシア、ベラルーシ、ブルガリア、イタリアが“4強”と言われていましたが、今は日本を加えた“5強”と言っていいでしょう。18年にDスコア(演技価値点)の上限がなくなり、強豪国は難しい技を詰め込んだリスクの大きい構成になっています。失敗すれば順位が大きく下がるルールの中、日本には技術と精神力が伴った選手がそろっていると感じました。

 東京五輪前年での好成績は、審判に対して大きなアピールになったはずです。もちろん、五輪でのメダル獲得にも大きな期待が持てます。ただ、五輪までに他国は相当、演技の精度を高めてくるでしょう。ライバルが進化するスピードに負けないよう、日本の選手も成長し続けることが重要です。 (五輪2大会連続出場、12年ロンドン大会主将)

 ▽世界選手権VTR 21日の団体総合はフープ・クラブで全体トップの演技を披露し、ボールとの合計58・700点をマーク。4連覇を果たしたロシアと0・5点差で銀メダルを獲得した。22日の種目別ボールは21日の演技から0・35点も伸ばす圧巻の内容で団体初の金メダル。フープ・クラブでもロシアと0・05点差で銀メダルを獲得した。

続きを表示

2019年9月24日のニュース