貴景勝 悪夢払しょく“因縁”御嶽海を一蹴 V戦線残った!

[ 2019年9月16日 05:30 ]

大相撲秋場所8日目 ( 2019年9月15日    両国国技館 )

御嶽海(左)を押し出しで破った貴景勝(撮影・郡司 修)
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 大関復帰を目指す貴景勝が御嶽海との関脇対決を制して、連敗を2でストップ。6勝目を挙げた。鶴竜は休場し、初場所以来の横綱不在となった。カド番の2大関は豪栄道が友風にはたき込まれて3敗目、栃ノ心は正代を突き落として3勝目を挙げた。全勝を守った隠岐の海を1敗で明生、2敗で貴景勝ら6人が追う展開となった。

 電車道で悪夢を振り払った。貴景勝は立ち合いで沈み、低い体勢から御嶽海を突き放して、粘る相手を押し出した。「自分を高めようとした先にケガが待っていた。自分と向き合い、自分の相撲を取ろうと思った」。前回対戦で見せたもろ差しを捨て、本来の相撲で決着をつけた。

 「あれで、ここまで尾を引きずったから」。夏場所4日目の御嶽海戦は勝ったものの、右膝じん帯を損傷。症状レベルは3段階で2強と診断された。母校・埼玉栄高相撲部の山田道紀監督が「治すまでに普通は半年はかかる」と話すほどの重症で、患部周辺を筋肉で固めて復帰を目指すことになった。

 都内の自宅にも、名古屋場所の宿舎にも高酸素ドームを設置。回復力を上げ、本場所のない6、8月は母校で初心に帰り、リハビリに集中した。1日3部練習で追い込み、つらい時は巡業先で稽古する力士の姿を日本相撲協会の公式ツイッターで見て自らを奮い立たせた。この日の朝稽古後「その成果が出れば」と話した男に勝利の女神はほほ笑んだ。

 今場所の連敗も2で止め、大関復帰まで残り4勝となった。「何勝何敗で判断される世界。星勘定してしまうが、いかに邪念を捨てられるか」。自らターニングポイントに挙げた大一番で勝ち取った白星をパワーに変え、終盤に向けて再加速する。

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