男子73キロ級・大野、オール一本で金!圧倒的で4年ぶり3度目の頂点

[ 2019年8月28日 05:30 ]

柔道世界選手権第3日 ( 2019年8月27日    東京・日本武道館 )

男子73キロ級、決勝、一本勝ちで優勝を決める大野(右)(撮影・会津 智海)
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 男子73キロ級は4年ぶりに出場した大野将平(27=旭化成)が、初戦から6試合オール一本勝ちで、4年ぶり3度目の大会制覇を果たした。男子日本代表の井上康生監督(41)も、金メダルを獲得した16年リオデジャネイロ五輪以上の強さと大絶賛。同じ日本武道館で行われる東京五輪に向けて、日本のエースに死角はなくなった。女子57キロ級の芳田司(23=コマツ)は、決勝で出口クリスタ(23=カナダ)に敗れて銀メダルだった。

  優勝が決まり担当の金丸雄介コーチに握手を求められても、大野は一切表情を崩さなかった。本人が常々口にする「圧倒的」な強さで3年ぶりの世界制圧。自己採点を求められた際に「自分の階級分(73点)くらいはあげたい」と話してほほ笑んだ程度。「周りの“大野は優勝するだろう”という声が一番の敵。甘えずにやれた」と話すと肩の荷を降ろすように大きく息をついた。

 4回戦は大外刈り、準決勝は技ありを2度取り消される逆境をはね返し、最後は寝技で決めた。リオデジャネイロ五輪決勝の再現となったオルジョフ(アゼルバイジャン)戦は2、3回戦と同じ内股で大きくはね上げ完璧な一本。わずか1分17秒。「大外刈りと内股は、大野将平の得意技でなく必殺技」とまで言ってのけた。

 正しく持って、正しく投げる。柔道私塾の講道学舎、母校・天理大での教えを理想とするが、世界中からマークされる立場になって久しい。学業に専念するため17年に一時競技を離れ、18年の本格復帰後に活路を見いだしたのは、どんな状態でも技を掛けきるための技術と腕力を身に付けること。普段の稽古から一つ下の66キロ級から100キロ超級まで、さまざまな階級の選手と乱取りし、左右両方の組み手を試す。持つ襟の位置、技の入り方、ありとあらゆるパターンを試し、勝負手の引き出しを増やした。

 井上監督はその成果を発揮した大野を「リオ以上。より隙がなくなった。攻撃の幅も広がり、どんな状況もはね返す技術がある」と評した。同じく五輪王者の監督でさえ、おののくほどの強さだった。

 五輪までの4年スパンを一つの山に例える大野は言った。「1年後、日本武道館に戻って一番高い所で君が代を聴くのが僕の集大成」。目指すその山頂を、はっきりと視界にとらえた。

 ▼全日本柔道連盟金野潤強化委員長 勝つと言われて勝つのは非常に大変だが、圧倒的な強さを示してくれた。力をしっかりと出し切れる心技体は素晴らしい。さすが大野といった印象だ。

 ◆大野 将平(おおの・しょうへい)1992年(平4)2月3日生まれ、山口市出身の27歳。7歳で競技を始め、中学から柔道私塾・講道学舎に入門。世田谷学園―天理大―旭化成。13、15年の世界選手権を制し、16年リオ五輪で金メダル獲得。17年は学業専念で一時競技を離れ、復帰した昨年はアジア大会で優勝。得意技は大外刈り、内股。1メートル70。右組み。

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