15歳森、女子リード日本勢最年少の銅メダル 東京五輪へ進撃

[ 2019年8月16日 05:30 ]

スポーツクライミング 世界選手権第5日 ( 2019年8月15日    エスフォルタアリーナ八王子 )

女子リード決勝、表彰式で笑顔を見せる(右から)銅メダルの森秋彩、金メダルのヤンヤ・ガルンブレト、銀メダルのミア・クランプル(撮影・小海途 良幹)
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 初出場の森秋彩(あい、15=茨城県連盟)が、女子リードで銅メダルを獲得した。16歳だった05年大会でリードの銅メダルを獲得した野口啓代(30=TEAM au)を超え、日本勢で最年少の表彰台。ヤンヤ・ガルンブレト(20=スロベニア)がボルダリングとの2冠を達成し、野口は5位だった。男子はボルダリング王者の楢崎智亜(23=TEAM au)が4位、原田海(20=日新火災)は7位だった。

 大ピンチに陥った時、森の耳に大歓声が届いた。「落ちそうなところで応援してくれて、背中を押してくれた。観客のおかげで表彰台を獲れた」。中盤、足を置く位置を間違える苦境を乗り越え、限界まで高度を上げた。日本勢として、史上最年少の表彰台となる銅メダル。快挙を成し遂げたものの、周囲が負けず嫌いと評する15歳は、「あと1手伸びていれば銀メダルだった。今は悔しさが70、うれしさが30」と振り返った。

 シニアの国際大会にデビューする今季に向け、取り組んだのはパワーアップ。腕立て伏せや懸垂などの筋力トレーニングに加え、食事の量も増やした。牛丼の並盛りに苦戦していた昨年から一転、肉だけで500グラムオーバーのキング牛丼や重さ1・6キロとされるキングカレーも完食するようになった。もりもり食べた森の体重は8キロ増の43キロに。「パワフルな課題だったので、成果が出た」と力強い登りで、表彰台への道を切り開いた。

 複合で争う20年東京五輪の出場権は、今大会の複合決勝(20日)で7位以内&日本人最上位で得られる。予選(18日)にはボルダリング、リード、スピード(17日)の3種目での上位20人が出場。ボルダリングで予選敗退を喫し、スピードが苦手な森には、リードでの好成績が必要だった。「これで複合が見えてきた。ちょっと気持ちも前向きになった」。輝く勲章を手に、15歳はTOKYOへの進撃を続ける。 

 ▽リード 高さ12メートル以上の壁に設定された最長60手程度の課題を、ロープで安全を確保しながら6分の制限時間内に登った高さを競う。予選は2課題行い、上位26人が準決勝に進出。準決勝と8人で争う決勝は1課題で行われる。

 ◆森 秋彩(もり・あい)2003年(平15)9月17日生まれ、茨城県出身の15歳。つくば開成高1年。小学1年でスポーツクライミングを始める。リードで17年世界ユース選手権金メダル。今季はボルダリングW杯第4戦で3位、W杯リード第1戦で3位に入った。1メートル54、43キロ。

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