錦織、自在ギアでストレート快勝 後輩大坂へお手本発進、金言も

[ 2019年7月3日 05:30 ]

テニス ウィンブルドン選手権第2日・男子シングルス1回戦   錦織3―0モンテイロ ( 2019年7月2日    英ロンドン・オールイングランド・クラブ )

第1セット、ボールを追う錦織(撮影・小海途 良幹)
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 男子シングルス世界ランク7位で第8シードの錦織圭(29=日清食品)は同113位のチアゴ・モンテイロ(25=ブラジル)を6―4、7―6、6―4で下し、8年連続で2回戦進出を果たした。1日の女子シングルスでは世界ランク2位の大坂なおみ(21=日清食品)が同39位のユリア・プティンツェワ(24=カザフスタン)に敗戦。先輩として、目の前の試合に集中するという手本を見せた。2回戦は4日に同55位のキャメロン・ノリー(23=英国)と対戦する。

 可愛い後輩へ、錦織が思いを伝えるプレーを見せた。タイブレークに突入した第2セット。ギアを入れた錦織は、1―3から6連取でフィニッシュ。多彩な技で揺さぶり、最後はドロップショットで格下に洗礼を浴びせた。前日には女子の大坂が敗れる波乱があったが、落ち着いて8年連続の初戦突破。「久しぶりの芝での大会だったが(試合の)入りも良かったので安心してプレーしていた」と汗を拭った。

 前日には失意の大坂が会見を4分半で切り上げたことが話題となった。錦織は言う。「最近思うのは、なおみちゃんのちょっとアホみたいな記事が多い。1位を守る重圧は計り知れない。しようがないと思う」と精神的に不安定な状況を気遣った。1人で日本テニス界の看板を背負ってきた男は、後輩を思いやり、続けた。「自分が今すべきことに集中してほしい。まだめちゃくちゃ若い。可愛い女の子ですし、ゆっくりやってほしい。あまり気にせずやってもらいたい」。

 錦織も順風満帆なわけではない。全仏オープンで右上腕を負傷し、6月の前哨戦ノベンティ・オープン(ドイツ・ハレ)は欠場。ぶっつけ本番で聖地に乗り込むのは初めての経験だった。苦手とする芝コート。それでも、直前に2度、ナダル(スペイン)と練習で打ち合うなど、やるべきことだけに集中したから初戦を突破できた。これが節目のグランドスラム通算90勝。「10年、節目として長かった。いろいろ経験して、ここまで来た」。昨年初めて到達した8強のさらに先へ。思い悩む大坂へ、錦織先輩が背中で示していく。

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