八村に救世主の期待、ウィザーズ指揮官「機会を与える」

[ 2019年6月22日 05:30 ]

八村 日本人初!NBAドラフト1巡目指名

NBAドラフト会議で、日本人初となる1巡目、全体9位で指名され笑顔の八村(AP)
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 ウィザーズに指名された八村には、NBA1年目から開幕スタメンの可能性がある。今季のプレーオフ進出を逃したウィザーズにとって、来季は再建のシーズンとなるが、今オフは退団者続出が予想されており、レギュラーを固定するめどが立たない状況。トミー・シェパードGM代行が「すぐにプレーできる素材」と表現した八村には、古豪復活の救世主として期待が懸けられそうだ。

 シェパードGM代行は八村の1巡目指名について「この2、3年注目してきた選手。潜在能力があって、成長している。すぐにプレーできる素材」と説明した。9月のW杯出場を決めた日本代表の大黒柱であることも指摘し、「あの年齢で国を背負えるほど成熟している。NBAでもそれは大事な部分だ」と優れた性格面も強調。12年にサンダーをNBAファイナルへ導いたスコット・ブルックス監督も「彼には十分、いい機会が与えられる」と起用を示唆した。

 現在のウィザーズはオールスター5回出場のポイントガード(PG)、ウォールと、米国代表候補のシューティングガード(SG)、ビールが2枚看板のチーム。だが、ウォールはアキレス腱断裂で年内復帰が微妙な上、FA保有選手17人のうち9人がFA資格所有者でオフの退団者続出は避けられない状況だ。特にフォワード陣に見通しが立っておらず、八村を予想よりも早い全体9番目で指名したのも、サイズとシュート力を兼ね備え、攻撃の幅を広げられる選手の獲得が急務だったからと言える。

 ブルックス監督は八村を「3番(スモールフォワード=SF)と4番(パワーフォワード=PF)でプレーできるが、スモールラインアップにした時は5番(センター=C)での起用もできる」とも明かした。Cはかつてドラフト全体1位指名の33歳ハワードが昨季早々と故障離脱し、主に21歳のブライアントがプレーしたポジション。指揮官がマルチ起用を示唆するように、八村は開幕からフル回転でチームを活気づける役割を担うことになるかもしれない。

 ≪トレーニングキャンプは9月下旬開始≫八村はウィザーズの首脳陣と話し合い今後の予定を固めることになる。7月5~15日には各チームが若手主体で臨むサマーリーグ(ラスベガス)を控えるが、1巡目指名の即戦力候補を起用するかはチーム次第。8月からは日本代表に合流し、そのまま同31日開幕のW杯中国大会に乗り込む見通しだ。1次リーグではNBAのトップ選手で構成する米国と対戦する。ウィザーズのトレーニングキャンプは9月下旬に開始予定。プレシーズンマッチなどを経て10月中旬のレギュラーシーズン開幕に備える。

 ▽NBA ナショナル・バスケットボール・アソシエーションの略で、1946年に始まった世界最高峰の米プロリーグ。各12分の4クオーター制や3点シュートのラインの距離など一部で国際ルールと違う規則を採用している。東西のカンファレンスに分かれ、それぞれ3つの地区があり、米国29、カナダ1の30チームで構成。今季は昨年10月16日に開幕し、各チーム82試合を行った後に、16チームでプレーオフを実施。今年5~6月に行われたNBA決勝でラプターズが初優勝を飾った。

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