八村 日本人初NBAドラフト1巡目指名!ジョーダンの背中追う、背番23も

[ 2019年6月22日 05:30 ]

NBAのドラフト会議でウィザーズから日本人初となる1巡目指名を受け、笑顔を見せる米ゴンザガ大の八村。左隣は母麻紀子さん(NBAE提供)
Photo By ゲッティ=共同

 米プロバスケットボールNBAのドラフト会議が20日(日本時間21日)、ニューヨークで行われ、日本代表のエースで米ゴンザガ大でプレーした八村塁(21)がウィザーズから日本人初となる1巡目、全体9位で指名された。1年目から先発の可能性があり、年俸は4億5000万円を超える見通し。過去にマイケル・ジョーダン氏(56)も所属した古豪でプロのキャリアをスタートさせる。

 歴史的な瞬間を迎えると、八村は右手人さし指を天に向けて喜びをかみしめた。1巡目9位。ウィザーズから指名を受け「本当に夢みたい。どのチームになっても、チームにインパクトを与えるつもりなので、これからが楽しみ」と声を弾ませた。ワインレッドのジャケットにブルーのシャツと蝶ネクタイ。上着の裏地には右側が母と自らの母国である日本、左側が父の祖国ベナンをイメージした柄を入れていた。

 ドラフト前の米メディアの八村の指名予想は1巡目の11~13位が大半を占めていた。全体1位で指名されたウィリアムソン(デューク大)ら上位3位は“鉄板”で、4位以降は混沌(こんとん)とする状況。八村は予想より早く名前を呼ばれたが「9位は想像内」と堂々としていた。新人の年俸は指名順位に応じて基準額が設定され、全体9位は371万9500ドル(3億9980万円)。この80~120%で契約する必要があり、八村の年俸は1年目から4億5000万円を超える見通しだ。

 ウィザーズには01~03年にキャリアの終盤を迎えたジョーダン氏が在籍した。八村は“神様”の代名詞である背番号23をつける可能性もある。ゴンザガ大でつけた21番はセンターのドワイト・ハワード(33)の番号で、譲り受けるのは現実的ではない。日本代表で背負う23番にも愛着はあり、1巡目指名選手としてプロの一歩をしるすにはうってつけのナンバーといえる。

 NBAデビューを果たせば、日本人で3人目。過去には04年にサンズでプレーした田臥勇太(栃木)と、昨年10月にグリズリーズでデビューした渡辺雄太しかいない。昨季のウィザーズは32勝50敗でプレーオフ進出を逃している。八村は「凄いいろんなポジションから得点できるチームだと思う。試合は何回も見ているので、その中で僕もそれに貢献できるんじゃないかな」と力を込めた。目標はルーキーイヤーからのフル回転とプレーオフ進出。希望に膨らむ胸には、日の丸のピンバッジが誇らしげに輝いていた。

 ▽ワシントン・ウィザーズとマイケル・ジョーダン ウィザーズ(魔法使い)は1961年にシカゴ・パッカーズとして誕生し、63年にボルティモアに移りブレッツと改称、73年にワシントンに移転し、97年に現チーム名に改称した。78年に唯一の優勝を果たしている。ジョーダンは華麗なダンクや抜群の得点力を武器に80年代中盤から90年代にシカゴ・ブルズで活躍。6度の優勝に導き「神様」と呼ばれた。99年に2度目の引退後、00年にウィザーズの共同オーナーに就任。低迷するチームを救うため、01年に同チームで再び現役復帰。2シーズンプレーしたが、プレーオフには進めなかった。現在はシャーロット・ホーネッツのオーナーを務める。

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