ジョセフJAPAN 土台完成、ウルフパック豪遠征快勝締め

[ 2019年5月18日 05:30 ]

<レベルズB・ウルフパック>強化試合の前半、突進する姫野
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 ラグビーW杯日本代表候補で編成する「ウルフパック」は17日、レベルズBに39―12で勝利し、3月下旬からの強化試合を5勝1敗で終えた。2月に始まった「ファンデーション1」と名付けられた土台づくりの期間を勝利で締めくくり、ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)は「10点中7点」と評価。約60人の代表候補は6月3日に予定される発表で40人程度に絞り込まれ9月20日開幕のW杯に向けて強化を本格化させる。

 現体制下では初の中4日での実戦。疲労が残る中、体格では粒ぞろいだった相手にフィジカルバトルでは手を焼いたが、計5トライを奪う快勝。ジョセフHCは「本調子ではなかったが、いいトライを取れた。ショートウイークで39点は上出来」と及第点を与えた。

 ファンデーション1を締めくくる試合を終え、指揮官は2つの収穫を挙げた。一つは選手層の強化。「全てのポジションで層の厚さを強化できている」と言ったように、先発15人でW杯経験者は5人だけ。15年当時は、まだキャップすらなかったプロップ具やSH流は、今や主力に台頭。この日はウイングで先発したFB松島のように、複数のポジションをこなせる選手も過半数を占めており、「競争が激しくなればなるほど、パフォーマンスの向上や一貫性につながる」と目を細めた。

 もう一つが選手の主体性の高まりだ。その好例が後半32分のトライシーン。中央付近のターンオーバーから、パスとランで左右へ大きく回し、福岡がトライした。当初はキックを積極的に蹴るゲームプランだったが、相手ディフェンスに対応し、ボールを保持する攻撃に転換。中村は「後半は切り替えたが、もっと早くやらないといけない」と反省したが、「選手の問題解決能力はレベルアップできたと思う」と話した。

 恥骨炎で不在のリーチ(東芝)に代わり、ゲーム主将を務めた姫野も「チームの一体感、W杯で活躍するという目標、そういう方向性が固まっている」と手応えを口にした。18日で開幕まで125日。強固につくり上げた土台の上に、堅牢(けんろう)な城を築く期間に突入する。

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