藤森、攻めて2位突破!クロスから転向3年 決勝で奇跡起こす

[ 2018年2月20日 05:30 ]

平昌冬季五輪 スノーボード・ビッグエア女子予選 ( 2018年2月19日 )

女子ビッグエア予選 2回目に高得点を出し、喜ぶ藤森
Photo By 共同

 新種目、ビッグエアの女子予選が19日に行われ、スノーボードクロスから転向した藤森由香(31=アルビレックス新潟)が日本勢トップの94・25点の2位で、上位12人で争う23日の決勝に進んだ。初出場の岩渕麗楽(16=キララクエストク)も92・75点の3位で続き、鬼塚雅(19=星野リゾート)は86・50点の7位につけた。広野あさみ(27=TJR)は2回とも着地が乱れ37・75点の24位で敗退した。

 自分でも会心のジャンプと分かっていた。着地を決めたところで両手を突き上げて歓声を上げた。しかし得点が表示されると、その声はさらに1オクターブ高まった。藤森は「びっくりするようなスコアが出た」と跳びはねて喜んだ。

 予選だけに難度を落とすことも考えたが、「こんなところで守っちゃいけない」と1回目から「バックサイド900(2回転半)」を仕掛けた。1回目の82・00点から、2回目は長いグラブなどで完成度を高めて得点を伸ばした。

 スノーボードクロスで3度五輪代表に選ばれ、今回は新たな夢を追いかけた。ソチ五輪でオーストラリアのトラジェーン・ブライトがハーフパイプなど3種目に出場。「私もやりたいことがあるなら思い切って一歩を踏み出そう」と華やかさに憧れのあったフリースタイル系に飛び込んだ。

 クロスと技術的な共通点は多くはなく、ノートに書きながら回転技の分析をするなど、一から積み上げていった。28歳での競技転向を「周囲はうまくいくわけがないと思っていたはず」と厳しい見方があることも重々承知していた。しかし挑戦を実らせて4度目の五輪切符を勝ち取り、12日のスロープスタイルでは日本勢最高の9位に入った。

 「自分の夢に責任を持って、情熱を持って真剣に取り組めば、奇跡が起こる」。決勝は3回の試技で、種類の異なる2種類のジャンプの合計点で争う。藤森は予選の技に加えて「フロントサイドダブルコーク900(縦2回転、横2回転半)」を投入予定。ビッグエアではW杯の表彰台経験もないとはいえ、奇跡を信じてここでも一歩を踏み出す。

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2018年2月20日のニュース