【船木和喜 分岐点】メダルなしのジャンプ男子 弱点克服に焦点当てすぎた

[ 2018年2月20日 09:12 ]

平昌冬季五輪 ノルディックスキー・ジャンプ男子団体 ( 2018年2月19日 )

試合を終え、伊東(右)と握手する葛西(左は小林陵)
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 団体戦は風の条件が安定しており、W杯のランキング同様の結果となった。残念ながら、世界における日本の位置はここだったということになる。

 4年前のソチは銅メダルを獲得したが、この当時は葛西選手がW杯の表彰台にたびたび立っていた。ソチ以降、日本勢のW杯表彰台の回数は減り、世界との距離を測る「ものさし」がなくなっていた側面もあると思う。

 今大会で最も強く印象づけられたのは、海外選手の完成度の高さ。以前はパワーやスピードだけがクローズアップされたが、助走、踏み切り、空中姿勢というジャンプの3要素すべてが安定していた。つまり、体の能力と使い方と技術がマッチしている。

 逆に日本勢は弱点だったパワーやスピードに焦点を当て過ぎ、技術とマッチさせるところまでいっていない印象だった。幸い、今季のW杯で小林潤選手が優勝を経験し、五輪では小林陵選手が自信を得た。若い力を中心にもう一度「日本のジャンプ」の方向性を確認し、22年北京五輪での雪辱を目指してほしい。(98年長野五輪スキージャンプ2冠)

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2018年2月20日のニュース