サンウルブズ歴史的初戦!山田トライ1号で「勢いつける」

[ 2016年2月27日 05:30 ]

明るい表情で練習する山田

 世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」は26日、21年目のシーズンが開幕した。今季から参戦する日本のサンウルブズは、27日の開幕初戦のライオンズ戦(秩父宮)に向けて、会場で前日練習を行った。前日は風邪のために静養したWTB山田章仁(30=パナソニック)も復帰。記念すべきチーム初戦にしてSRデビュー戦でのトライを宣言した。また、オープニングゲームはブルースが昨季王者のハイランダーズに勝利した。

 「きのうは(体温)38度を行ったり来たり」で、まだ鼻声。それでもベッドからはい上がり、秩父宮のピッチに飛び出した。ピッチ中央には大きなロゴがペイントされている。全てが日本初。そして世界規模。あとは昨年のW杯同様、世界を驚かせるだけだ。日本代表でもトライゲッターとして君臨してきた山田は、強い決意を口にした。

 「楽しみでしようがないです。トライを取るところはこだわっていきたい。スタートの試合だし、シーズンを通してチームを勢いづけるためにも、トライを取りたい」

 栄えある開幕先発を伝えられたのは、沖縄合宿中の23日朝だった。ところが同日午後の上京後、寒暖差に体が対応できずに発熱。「インフルエンザではない」と大事には至らなかったものの、25日の練習を休む羽目になった。今月13日の壮行試合では途中出場ながら、2トライの活躍で奪った14番。昨年はウェスタンフォース(オーストラリア)入りも公式戦出場なく帰国しただけに、つかんだジャージーを手放すわけにはいかなかった。

 だからこそ、あえて苦言も呈した。国内シーズン終了後の今月1日、ボロボロだった秩父宮の芝は張り替えられたが、フタを開けてみれば中央部分のみ。エッジ部分には段差も生じており、自身も練習中つまずいた山田は「ケガのリスクになる。つぎはぎだった」と指摘した。ただそれも、日本ラグビー界を真剣に思うからこそ。「言わなくても済むが言った。書いてください」と強い口調で改善を求めた。

 10年にはライオンズが13戦全敗に終わった例もあるだけに、チーム目標は「1勝で」と現実を直視する。厳しい戦いは承知の上。その先の19年W杯も見据えてピッチに立つ。 

 ▽SRの大会方式 レギュラーシーズンは各チーム15試合を戦い、総勝ち点によって順位を決定する。18チームはオーストラリア・NZグループと、南アフリカグループの2つに分けられ、サンウルブズは後者の南アフリカ地区1に所属。15試合の内訳は、同地区内の3チームとホーム&アウェーで計6試合、南アフリカ地区2の4チーム、オーストラリア地区の5チームとホームかアウェーで各1試合を行う。各試合ごとの勝ち点は、勝ち=4、引き分け=2、負け=0が与えられ、ボーナスポイントとして7点差以内の敗戦に1、対戦相手より3トライ以上を奪ったチームに1が与えられる。

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