今井 五輪切符へ気合「昨年の自分とは全然違う」

[ 2016年2月27日 05:30 ]

壇上で笑顔を見せる(左から)リレサ、キプロティチ、チュンバ、ムタイ、今井、藤原、松村、村山

東京マラソン

(2月28日)
 東京マラソンは28日、都庁前~東京ビッグサイトのコースで行われる。26日は都内で有力選手が会見し、リオデジャネイロ五輪の選考会を兼ねる男子の今井正人(31=トヨタ自動車九州)が初の五輪切符獲得へ気合を入れた。髄膜炎で昨夏の世界選手権(北京)を欠場。悔しさを晴らす激走が、夢舞台につながる。

 今井が殻を破ったのは昨年の東京だった。終盤失速のこれまでのパターンを覆し、2時間7分39秒で日本人トップの7位に入り、世界選手権代表をつかんだ。あれから1年、今年はリオ切符を懸けてスタートラインに立つ。「自分の力を出すことだけを考える。昨年を超えるとか、超えないとか考えていない。昨年の自分とは全然違うんで」と落ち着いた口調で気合を入れた。

 好走した15年との比較を拒む理由がある。昨年7月末から約3週間、髄膜炎で入院し、世界選手権も欠場に追い込まれた。例年通りの夏場の走り込みができなかったため、昨年の東京とは過程が違う。9月に練習を再開すると20~30分のジョギングで全身が筋肉痛に。慎重に状態を見極めながらの復帰ロードだった。「少しずつ確認しながら、ギアを1つずつ上げていった」。自動車会社所属らしい例えで、31歳は当時を振り返った。

 元日のニューイヤー駅伝5区で区間2位と好走し、2月に入ってコンディションも上昇。昨夏の休養期間も、今はプラスに捉えている。「1カ月練習が抜けたことで、余計なものを落とせた。昨年の自分よりもマイナーチェンジができている」。15年の東京は終盤に外国勢に突き放されたが、「終盤にむしろペースを上げるくらいで走りたい」と闘志を高めた。

 五輪への思いは強い。「陸上を始めた時から、やるからにはマラソンで五輪で勝負したいと思っていた」。昨年12月の福岡国際で日本人トップだった佐々木悟(旭化成)の2時間8分56秒を上回って日本人トップに入れば、夢切符にグッと近づく。「ここで勝負しないと、上で勝負できないんで」。トップギアで五輪ロードを駆け抜ける。

 ▽リオデジャネイロ五輪への道 枠は3。福岡国際、東京、3月のびわ湖毎日で争う。各大会日本人3位以内が選考対象で、福岡国際は佐々木悟が2時間8分56秒で日本人トップだった。本番での活躍が期待される選手が選ばれ、日本陸連が定める2時間6分30秒を切った選手は優先的に1人選出される。代表発表は日本陸連の理事会が開催される3月17日。

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