八角体制に逆風…九重親方が立候補取りやめ 票見込めず

[ 2016年1月29日 10:17 ]

両国国技館を出る九重親方

 日本相撲協会は両国国技館で役員候補選挙の立候補を受け付けたが、当初立候補を表明していた九重親方は出馬を断念した。年寄会に出席した同親方は「(立候補届を)出さなかった。(票が)そろわなかったということで」と険しい表情で説明した。

 協会No・2の事業部長だったにもかかわらず、前回14年の理事選では5票しか集められず落選。今回も当選に必要な約10票が見込めず、立候補すら見送った。昨夏に早期のすい臓がんで手術を受け、理事復帰を目指していたがかなわなかった。

 今回は定員10人の理事候補に11人が立候補し、公益財団法人移行前を含めて4期連続で投票に持ち込まれることになった。立候補者は現職6人、新人5人。また、定員3人の副理事候補には4人が立候補した。投開票は29日に行われる。

 ≪出羽海一門4人立候補≫北の湖前理事長が所属していた最大派閥の出羽海一門からは4人がいずれも初めて立候補した。春日野親方(元関脇・栃乃和歌)は「自分の目で見て判断したいことがある。協会の赤字が黒字に変わるように尽力したい」と心境を語った。出羽海親方(元幕内・小城ノ花)は「悩んだが、皆さまに推してもらって出馬を決めた。(当選すれば)入った部署の仕事を早く覚えたい」と意欲を示した。同一門の意向が理事長選にも大きな影響を持ちそうだ。

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2016年1月29日のニュース