日馬、横綱対決制しV王手 理事長へ「結果残すことが恩返し」

[ 2015年11月22日 05:30 ]

鶴竜(手前)を押し出す日馬富士

大相撲九州場所14日目

(11月21日 福岡国際センター)
 2年ぶりの優勝を狙う横綱・日馬富士が横綱・鶴竜を下して1敗を死守した。一方、横綱・白鵬は大関・照ノ富士に痛恨の2敗目。日馬富士が単独トップに立って千秋楽を迎えることになった。

 日馬富士が2年ぶりの優勝に大きく前進した。鶴竜との横綱対決は鋭い出足で圧倒。深く左を差して相手に息つく暇も与えず、最後は左下手出し投げで崩してから押し出し。「まわしを取って頭をつけたかった。きょうの一番に集中していた」。狙い通りの速攻に頬を緩めた。1敗をキープし、西の控えで見守った結びは弟弟子の照ノ富士が白鵬を撃破。千秋楽を前に単独トップに立った。「こういうこともあるんだなあ。(単独首位は13年初場所以来で)懐かしい」と振り返った。

 20日夜に飛び込んできた北の湖理事長の訃報には「ショックでした」と神妙な面持ち。思い出に残るのは08年8月のモンゴル巡業だ。大関昇進前でしこ名は安馬だった。「6日間、理事長と一緒に食事をしたり、お酒の場もあった。凄く可愛がっていただいた。ケガをした時も見守っていただいた」。どんな時でも現役力士に温かいまなざしを注いでくれた理事長にあらためて感謝した。

 千秋楽で稀勢の里を下せば13年九州場所以来、7度目の賜杯を抱ける。「土俵に上がることが(理事長への)恩返しだし、結果を残すことが恩返し」。昭和の大横綱への深い思いを土俵で表現する。

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