愛、リオ見えたワールドツアー2年ぶりV 体幹強化の成果着々

[ 2015年6月8日 05:30 ]

ワールドツアー2年ぶりの優勝を飾った福原

卓球オーストラリア・オープン

(6月7日 オーストラリア・ゴールドコースト)
 女子シングルス決勝で第2シードの福原愛(26=ANA)は第7シードの田志希(22=韓国)を4―1で下し、2年ぶり3度目のワールドツアー優勝を果たした。第1ゲームを先取されたものの、持ち前の強打で逆転勝ち。16年リオデジャネイロ五輪の出場権獲得に向けて世界ランク上位争いが激しくなる中、大きな勝利をつかんだ。

 笑みがこぼれた。福原は相手のバックハンドがネットに掛かり優勝が決まると、左手で小さくガッツポーズをつくりながらコーチ席を振り返った。第1ゲームを落としたものの、第2ゲームからはフォアとバック両方の強打で相手を寄せ付けなかった。前週のフィリピン・オープンは決勝で石川佳純(22=全農)に敗れ2位。その雪辱を果たし、13年6月のジャパンオープン荻村杯以来の頂点に立った。

 昨年はケガとの戦い。2月に左足の疲労骨折。6月に実戦復帰したが、12月には腰痛を発症した。馬場美香コーチの下、基本のフットワークや体幹強化に努め今年3月のアジア杯で復帰し「試合がなくて練習だけというのは生き地獄。コートに戻ることができてとてもうれしい」と試合に出る喜びを再確認。大会期間中も体幹強化のメニューをこなすなど地道な努力を続けてきただけに、馬場コーチとつかむ“初優勝”の喜びは大きかった。

 リオ五輪を懸けた戦いも終盤戦を迎える。フィリピンで準優勝、オーストラリアで優勝と貴重なポイントを獲得。4度目の五輪に向け「最後は自分との戦い。誰と戦っても悔いのないように100%出せるようにしたい」と意気込む。24日開幕の荻村杯(神戸)、韓国オープン(7月、仁川)は中国の強豪選手らがエントリー。福原は昨年の仁川アジア大会で12年ロンドン五輪銀メダルの丁寧を下すなど“大物食い”に自信を持つ。2年ぶりの優勝を手にした勢いそのままに、五輪切符を獲りに行く。

 ▽リオデジャネイロ五輪への道 シングルスは9月発表の世界ランクで日本人上位2人に入ることが第1条件。この2人がアジア大陸予選(来年4月、香港)で五輪出場権を懸けてアジアに与えられた11枠を争う。アジア大陸予選で出場権をつかめなかった場合、16年5月発表の五輪ランキングで上位22人に入れば五輪に出場できる。ただし、対象はアジア大陸予選に参加した選手のみとなる。団体戦のみの出場となるもう1人の代表は日本人3番目の選手が推薦される見込み。

続きを表示

2015年6月8日のニュース