大山、スイーツ断ち美酒　自分にご褒美「ホールケーキ食べたい」

今季初優勝を決め多くのギャラリーを背にガッツポーズする大山志保

女子ゴルフツアー　ヨネックス・レディース最終日

（6月7日 新潟県長岡市　ヨネックス・カントリークラブ＝６３５２ヤード、パー７２）
　首位から出た大山志保（３８＝大和ハウス工業）が４バーディー、３ボギーの７１で回り通算１０アンダーで今季初優勝、ツアー通算１６勝目を飾った。同じ最終組のテレサ・ルー（２７＝台湾）、表純子（４１＝中部衛生検査センター）と接戦を演じ、１８番のバーディーで決着をつけた。昨年はプレーオフで敗れたこの大会で、０６年以来９年ぶり２度目の制覇を果たした。
【最終Ｒ成績】

　１打差の単独首位で迎えた１８番。「イーグルで勝ちたい」と力んだ大山は１Ｗで右ラフに打ち込んだ。だがフェアウエーに運ぶと、残り８３ヤードから５２度のウエッジで１メートルにぴたり。ウイニングパットを沈めて決着をつけた。「最高です。弱いとスライスするラインだった。強めに真っすぐ打つ自分のスタイルで打てた」と満足そうに言った。１番で２メートルを沈めて抜け出したが、ボギーを叩いた９番で表に追いつかれ、１２番でテレサ・ルーも並んだ。終盤までもつれた接戦を制した。

　９年ぶりの大会制覇だが「０６年は勢いだけで長いパットがよく入った。今の方がレベルアップしている」と言い切る。特にアプローチの進化を感じており、寄せがうまくなったからショットの思い切りが増したという。

　１月から「勝つまで食べない」とスイーツを断った。アイスクリーム、クッキーなど洋菓子は何でも食べる。特に生クリームが大好物。だが、どれも一切口にしていない。食べたい時は写真を見たり、食べた友人に味を聞いて「イメージトレーニングして満足する」徹底ぶりだ。あくまで願掛けで始めたもの。ただ体重が８キロ減り体の切れが良くなる実利もあった。「きょうの夜はショートケーキのホールケーキが食べたい」と笑った。

　今後の目標は今季３勝と、現在５３位の世界ランキングで３０位以内に入ること。世界ランキングで出場権が得られる１６年リオデジャネイロ五輪にも「そこに向けて努力している」と意欲を示した。

　オフには厳しいトレーニングを積み、３日間の断食も行った。「５０歳まで頑張る」と公言しゴルフに全てをささげる３８歳は「またあしたからスイーツを我慢します」と次の勝利まで再び禁欲生活に入ることを宣言した。