梁津万 日本初Vで全英切符 中国出身36歳12年目で悲願

[ 2015年6月8日 05:30 ]

優勝トロフィーを手に笑顔の梁津万

男子ゴルフツアー ツアー選手権森ビル杯最終日

(6月7日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7326ヤード、パー71)
 待望の瞬間がようやくやってきた。首位から出た日本ツアー参戦12年目の梁津万(36=中国)が3バーディー、2ボギーの70で回り、通算14アンダーで日本ツアー初優勝を飾った。今大会終了後の賞金ランキング2位までに全英オープン(7月16日開幕)の出場権が与えられ、同1位の梁と同2位のアダム・ブランド(32=オーストラリア)が切符を獲得した。
【最終R成績】

 04年の日本ツアー本格参戦から12年目。梁がついに殻を破った。大会の完全優勝は00年の伊澤利光、10年の宮本勝昌以来3人目の快挙で「とてもうれしい。これでやっと勝てたと言える」と満面の笑みを浮かべた。

 プレッシャーで前夜は寝付けず、出だしの1番は1Wを左に曲げ、ボールはカート道のさらに奥へ。しかし「2打目は集中できた」と残り157ヤードを9Iでピン奥1メートルにつけてバーディー。2つスコアを伸ばして迎えた15番で勝利を意識し、最終18番は冷静に1メートル弱のウイニングパットを沈めた。

 この勝利で賞金ランク1位に浮上し、全英オープン出場権を獲得。13年からゴルフルールの基準をつくるロイヤル・アンド・エンシェント・クラブ(R&A)選定の親善大使を務め、母国・中国で普及活動に取り組んでいる。それだけに「英国には思い入れがある」と心待ちにしている。

 現在36歳だが、12年に43歳で賞金王に輝いた藤田寛之を挙げ、「藤田さんのように僕も長くプレーしたい。五輪にも出たい」と夢は尽きない。07年にはアジアツアーで中国人初の賞金王にも輝いた眠れる獅子が、ようやく目を覚ました。

 ◆梁 津万(リャン・ウェンチョン)1978年8月2日、中国・広東省出身の36歳。96年から中国アマを3連覇し、99年にプロ転向。日本ツアーには04年から参戦し、アジアンツアーとの掛け持ちながらも賞金シードを獲得。07年には欧州ツアーとアジアンツアー共催のシンガポール・マスターズで優勝。10年の全米プロ選手権では8位に入っている。得意クラブは1Wとパター。1メートル73、62キロ。家族は妻と子供3人。趣味は読書。

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