一ノ瀬、大会レコード64!熊本11人目Vへ王手だモン

[ 2013年3月24日 06:00 ]

15番、満開の桜の前でティーショットを放つ一ノ瀬

女子ゴルフツアー Tポイント・レディース第2日

(3月23日 鹿児島県姶良市 鹿児島高牧カントリークラブ=6346ヤード、パー72)
 プロ7年目の一ノ瀬優希(24=加賀電子)が初勝利に王手をかけた。5位から出てボギーなしの8バーディーで大会レコードの64をマークし、通算12アンダー、132。2位の森田理香子(23=リコー)に3打差をつけて自身初の首位に立った。最終日は熊本出身として11人目となるツアー優勝を目指す。
【第2R成績】

 会心のパットで自己ベストと大会レコードを更新した。7バーディーを奪って迎えた16番パー5。一ノ瀬は残り140ヤードの3打目を右奥3メートルにつけた。下りのフックライン。「タッチを合わせにいったらきれいに入った」。8つのバーディーを量産して64の猛チャージ。ツアー初優勝に王手をかけ、「初めての最終日最終組。緊張感を楽しんでみたい」と期待に胸を膨らませた。

 1番で2メートルのバーディーチャンスを沈めて波に乗った。「ショットが良かった」と振り返る。ショット開眼は1月半ばから約1カ月間の米アリゾナ合宿中。契約が同じピンゴルフということで、06年の賞金女王、大山志保と練習ラウンドを行う機会があった。助言を求めると「腰を回転させた方がいい」と言われた。一ノ瀬は「手で合わせにいく癖があるので腰を切るようにしている」と体の回転を意識すると強い球が出るようになった。

 熊本出身のツアー7年目。同郷からは不動、平瀬、上田ら10選手がツアーで優勝している。「熊本の人は厳しい。優勝しないと覚えてもらえない。頑張って不動さんや桃子さんたちのレベルに追いつきたい。勝って有名になりたい」と語った。

 開幕戦のダイキンオーキッド・レディースから熊本の“ゆるキャラ”、くまモンの袋をティーケースに使っている。開幕戦では前夜祭を風邪で欠席して今季から導入された罰金(3万円)を科されるケチもついたが、大会はどうにか51位。前戦は25位と順位を上げた。上り調子の3戦目。「カギは我慢強い気持ちと落ち着いた心。自分のリズムでやろうと思う」。全国区の人気を誇るくまモンにあやかり、自身もその名を日本中にとどろかせるつもりだ。

 ◆一ノ瀬 優希(いちのせ・ゆうき)1988年(昭63)10月5日、熊本県熊本市生まれの24歳。プロゴルファーの父・喜一郎氏の手ほどきで中学からゴルフを始め、御船高卒業後の07年、プロテストに8位で合格。08年に賞金シードを獲得し、11年にシードを失ったが、1年で再びシードを獲得。昨年のヤマハ・レディース葛城の2位が最高成績。1メートル58、54キロ。

 ▽くまモン 11年3月12日の九州新幹線開業を機に生まれた“ゆるキャラ”。知事から熊本県の営業部長に抜てきされ、全国で熊本の特産物や自然をアピールしている。同年のゆるキャラコンテストでグランプリ。性別は公式サイトによれば男の子、友達は熊本県宣伝部長でタレントのスザンヌ。

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