元大関琴光喜の恩師が観戦「反省、再出発を」

[ 2010年7月17日 20:09 ]

 野球賭博問題で解雇された元大関琴光喜関の中学時代の相撲部顧問だった小嶋博美さん(69)は迷った末の17日、教え子が出場できなくなった大相撲名古屋場所を家族と観戦。「(元琴光喜関は)じっくり考えて再出発してほしい」「相撲界も反省を」と話した。

 「土俵では途端に目つきが鋭くなり、社会人相手でもひるまなかった」。社会科教諭の小嶋さんがいた愛知県岡崎市の中学に元琴光喜関が入学してきたのは1989年。相撲部はなかったが、小学生相撲のエースだった本人の希望で土俵をつくり、柔道部顧問の小嶋さんが監督に。
 中3で全国優勝。卒業後も学生相撲で快進撃を続ける教え子が誇らしかった。
 「前に出るのが相撲だろ」「気迫が伝わるいい取組だった」。十両昇進後は年6回の場所中、毎日手紙を送った。「ひと言激励」に元琴光喜関は「先生の言葉が胸にしみる」と話したという。
 大関昇進は2007年と遅咲きだったが、「まだまだやれる」と信じてきた中の賭博問題。警視庁から聴取を受けたとの報道に「女房、子どもを泣かすな」と書いた手紙が最後になった。
 「相撲界の悪い部分に流されてしまったのでは。大関の重みへの自覚も足りなかった」と苦い表情を浮かべたが、「まだ30代。やり直せると信じている」。
 教え子がいない名古屋場所、チケット払い戻しも考えたが、元琴光喜関が所属していた佐渡ケ嶽部屋の力士を応援しようと決意。大関琴欧洲関らの白星に拍手を送り、「満員御礼で会場も盛り上がった。やっぱり相撲はいいね」と笑顔が戻った。

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2010年7月17日のニュース