白鵬、把瑠都ら全勝堅持も4大関総崩れ

[ 2010年3月21日 19:28 ]

把瑠都が寄り切りで旭天鵬を破る

 大相撲春場所8日目は21日、大阪府立体育会館で行われ、横綱白鵬は玉鷲を寄り切り、8戦全勝とした。大関昇進を目指す関脇把瑠都も旭天鵬を寄り切り、ストレートで勝ち越しを決めた。大関陣は先場所4日目以来の総崩れ。日馬富士は琴奨菊の一気の押しに初黒星を喫した。琴欧洲は土佐豊に押し倒されて2敗目。魁皇は小結稀勢の里に、かど番の琴光喜は小結安美錦に寄り切られ、いずれも3敗目。安美錦は関脇豊ノ島とともに星を五分に戻した。全勝は白鵬、把瑠都、平幕の時天空。1敗で日馬富士、2敗で琴欧洲ら7人が追う展開。十両は2敗で栃乃洋ら5人がトップに並んだ。

 強風で、黄砂が日本中を包み込んだこの日。なにわの地ではジンクス通り、“荒れる春場所”となった。4大関が全員黒星。弓取り式で男女ノ里が弓を落とすハプニング付きで、武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「大関陣がみんないっちゃった。弓取り式も荒れたね」と、あきれ顔だった。
 ベテランの魁皇とかど番の琴光喜の3敗目はさて置き、優勝争いに絡んでいる日馬富士と琴欧洲までもが相次いで敗戦。先場所4日目以来となる4大関の全滅となった。
 日馬富士は対戦成績で9勝16敗と苦手の琴奨菊に一気に押し出された。初黒星を喫し「負けは負けだからしょうがない」と、ため息をついた。7日目、勝負がついた後の駄目押しが問題視され、取組後に審判部で注意された。その影響について「全然(ない)」と否定したが、前日までとは別人のような相撲だった。
 琴欧洲は大関初挑戦の土佐豊に懐に飛び込まれ、いいところなく押し倒されて2敗に後退した。支度部屋では負けたときの恒例で、報道陣の質問を一切無視した。
 白鵬の安定感と比較すると、大関陣は大きな差をつけられている。支度部屋のテレビが、4大関総崩れを伝えたのを見た日馬富士は「みんな負けたんだ、大関陣。あーあ」と、まるで人ごとのように薄ら笑い。危機感は感じられなかった。

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2010年3月21日のニュース