朝青龍ばり!日馬富士ダメ押しに“ダメ押し”

[ 2010年3月21日 06:00 ]

<大相撲7日目>豊ノ島(右)を寄りきりで破った日馬富士は、ダメ押しの突っ張りを食らわす

 大相撲春場所7日目は20日、大阪府立体育会館で行われ、大関・日馬富士が朝青龍ばりのダメ押しで“即呼び出し”を食らった。関脇・豊ノ島を寄り切りで下して初日から7連勝としたが、勝負がついた後に左手で相手を土俵下まで突き飛ばし、打ち出し後に友綱審判部長(元関脇・魁輝)に呼び出されて注意を受けた。横綱、大関陣は07年夏場所初日~3日目以来となる3日連続の安泰。白鵬、日馬富士、把瑠都、時天空が全勝をキープした。

 これまで何度も問題となった、モンゴルの先輩と同じシーンだった。日馬富士は寄り切った後、棒立ちだった豊ノ島の顔面めがけて左手で強烈なダメ押し。土俵を割って既に力を抜いていた豊ノ島は、友綱審判部長が見守る正面土俵下へと転げ落ちた。
 支度部屋に戻った大関はダメ押しについて「勢いだった」と弁解した。だが、審判部から呼び出しを受けたと付け人から告げられると、審判部控室へ直行。友綱審判部長から口頭で「礼儀正しくするように」と注意され、「分かりました。気をつけます」と頭を下げたという。
 審判部がダメ押しをした力士を打ち出し後に審判部へ直接呼び出すことは極めて異例。だが、3日目に琴光喜、琴欧洲の両大関に立ち合いの乱れを注意したことに続き、審判部が迅速に対応した事実は、協会内に“ノーモア朝青龍”の意識が強いことを物語る。ダメ押しや土俵上でのガッツポーズなど品格が問われた朝青龍が先場所限りで引退。それだけに今場所は土俵の正常化が求められている。友綱審判部長は「完全に(土俵外に)出ていたし、戦意もなくなっていた。負けた人にも敬意を表さないといけない。忘れないうちに早め早めに言わないと」と“即呼び出し”の理由を説明した。
 日馬富士は昨年九州場所4日目の鶴竜戦でも勝負がついた後に右肩をぶつけ、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)から注意された。稽古場でも無用なダメ押しが目立っており、反省した様子の大関は帰り際に「気をつけます…」とうつむき加減でポツリ。初日から7連勝を飾ったものの、朝青龍と同じことをやっていては、白鵬、把瑠都らとの優勝争いに水を差しかねない。

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2010年3月21日のニュース