将来マラソン挑戦…中山Jrは「やりたい」瀬古Jrは…

[ 2010年1月30日 08:39 ]

トークショーに参加した瀬古利彦氏(左)と中山竹通氏=26日

 1980年代の日本男子マラソン界をけん引し、強いライバル関係にあった瀬古利彦氏(53)と中山竹通氏(50)がこのほど東京都内で公の場では初共演というトークショーに参加し、低迷が続く男子マラソンに日本記録を更新するハングリーさを求めた。

 2人の現役時代はレーススタイルだけでなく、練習方法も対照的。2時間8分27秒の自己記録を持つ瀬古氏が「量より質を追い、40キロ走をすると体がほてって夜眠れないほど追い込んだ」と振り返ると、2時間8分15秒が自己記録の中山氏は「質より量。練習メニューなんて怖くて見られなかった」と苦笑した。手法は異なるが「度を越えたでたらめな練習をするから強くなり、自信がつく」と口をそろえ、現役選手に厳しさを訴えた。
 ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が2008年に出した2時間3分59秒の世界記録に対し、日本記録は高岡寿成氏が02年にマークした2時間6分16秒。中山氏はケニア、エチオピア勢が席巻する近年の流れに「マラソン練習をしながら1万メートルで27分30秒を切るスピードがないと通用しない」と指摘。瀬古氏は「現役時代の中山は“瀬古の記録は全部破る”という気持ちがあったからすごい」と持ち上げ、エース格の佐藤敦之(中国電力)や若手に記録挑戦へ貪欲な姿勢を求めた。
 ともに陸上に取り組む息子がいる。将来のマラソン挑戦を問われ、中山氏が「本人はやりたいみたい」と言えば、瀬古氏は「努力しないからなあ」。この時ばかりは父親の顔だった。

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2010年1月30日のニュース