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ギョギョ!1200冊!初の“魚専門”書店 新宿区に新聖地「SAKANA BOOKS」

[ 2022年9月13日 06:51 ]

こじんまりとしたスペースには魚本がいっぱい。人気の本を持つ船津社長                              
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 【釣り人掲示板】“書店巡礼”の聖地が新たにできた。週刊つりニュース社は、東京都新宿区内の本社1階に全国初の魚に特化した書店「SAKANA BOOKS(サカナブックス)」を7月にオープン。週末や休日には20~30人のファンが訪れるという。 (笠原 然朗)

  都営新宿線・曙橋駅から徒歩で約5分。閑静な住宅街に目的の書店はあった。場所柄、買い物のついでに寄る、といったふうではなく「目的をもって訪れる」魚好きの聖地になりつつある。

 同店を立ち上げた週刊つりニュース社の船津紘秋社長(33)は「多くの人が、魚や魚が棲む環境に興味や関心をもってもらえるような場をつくりたかった」と話す。

 店内に陳列されている書籍は約1200冊。写真入りの図鑑はもとより、「食べる」「飼う」などをテーマにした本が並ぶ。コロナ禍で集客に苦戦する全国の水族館約100館から取り寄せたパンフレットも並ぶ。

 出版不況の中で書店業界の調査によると、ここ20年間で全国の書店数は半減。減少ペースに歯止めがかからない。そういう中で逆に取次を通さない独立系の書店に注目が集まっている。

 同店も「小規模な取次を通して本を仕入れるほか、著者から直接連絡をいただいてお売りすることもあります」(船津社長)

 たとえば別表に挙げた「トビウオの驚くべき世界」(スティーブ・N・G・ハウエル著、石黒千秋訳、エクスナレッジ社)は世界初のトビウオ図鑑。「なぜ飛ぶのか?」など魚の生態に迫る。世の中に魚好きは多いが、トビウオに興味を持っている人はどれだけいるのか?そんなニッチ(隙間)なマニア本を取り扱うのも専門店の魅力だ。

 こういう本は秋の休日、午後のコーヒーとともにゆっくりと読むに限る。トビウオのように想像の世界へと羽ばたくことができるだろう。

 船津社長は「書店も媒体であると考えている」とした上で、今後は「“SAKANA BOOKSレーベル”としての書籍刊行を見据えているほか、リアル・オンラインを交えたイベントの開催なども検討しています」と話す。世間の耳目を集めるギョギョ!な展開から目が離せない。

 ≪復興支援のために缶詰取り寄せ≫書店の一角を占めるのは魚の「缶詰」。宮城県石巻市の「木の屋石巻水産」から取り寄せている。「魚を食べる魅力を知ってもらいたいのと、少しでも復興支援の役に立てれば」との船津社長の思いが詰まっている。

 ◆案内 「SAKANA BOOKS」(東京都新宿区愛住町18の7)=(電)03(3355)6401。営業は正午から午後5時半。木・金曜日定休。

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