×

伊東も三笘も古橋も見せ場なし 森保ジャパンに王国ブラジルの壁 W杯へ攻撃オプション増加急務

[ 2022年6月7日 05:30 ]

キリンチャレンジカップ2022   日本0-1ブラジル ( 2022年6月6日    国立競技場 )

<日本・ブラジル>後半、ユニホームが破れそうになるくらい競り合う伊東(影・西海健太郎)
Photo By スポニチ

 日本代表は6日、ブラジル代表と対戦し0―1で敗れた。国立競技場では14年3月のニュージーランド戦以来となる国際Aマッチで、FIFAランク1位相手に粘り強い守備を見せたが、後半32分にFWネイマール(30)にPKで決勝点を許した。接戦を演出した守備面で一定の手応えを得る一方で、スピードでアジアを席巻してきた攻撃陣は不発。得点差以上に世界トップとの差を痛感させられる結果となった。

 6万3638人をのみ込んだ“日本サッカーの聖地”で、世界に衝撃を与える一撃は生まれなかった。守備面で一定の仕上がりを見せた一方、攻撃はシュート4本とほぼ完璧に抑え込まれた。11月に開幕するW杯の1次リーグでぶつかるスペインやドイツを仮想した試合で、攻め手のオプションの必要性を突きつけられた。

 20分弱の出場時間で三笘は世界の壁が想像以上に高く、ぶ厚いことを痛感していた。「いろんな選手がアイデアを持って崩してくる。平均値がとてつもなく高い。圧倒的な差はまだまだある」。1点を追う場面で2度、1対1で仕掛けたが、最初は球を引っかけられ、次も厳しい寄せで外に追い出された。「相手が疲れている中で対応されてしまった。スピードや強さを感じた」と冷静に振り返り「スピードがまだまだ足りない。流れを変えることができなかった」と悔やんだ。

 先発した古橋、伊東のスピードは、鮮やかに封じられた。前半12分には右サイドで伊東が仕掛けた。32分にはクロスを供給。しかし、後半はドリブル突破を許さない絶妙な間合いで守られ、電撃カウンターは影を潜めた。ブラジルは攻撃的サイドバックの背後のスペースが空くことは2日の韓国戦で確認していたが、個人の能力の高さは想像以上だった。

 アジアの戦いでは、右サイドに開く伊東の打開力を突破口にゴールをこじ開けた。7大会連続W杯出場を決めた3月のオーストラリア戦では、三笘が相手を粉砕する2点を決めた。しかし、世界トップクラスはそれを許さない。インテル・ミラノなど世界最高峰のクラブで戦ってきた長友は「個で剥がせないと本当の意味でのチャンスをつくるのは難しい」とトップとの距離を強調した。

 国内組で戦うE―1選手権を除き、強化の場は残り4試合しかない。守備に追われてシュート0本だった南野も「成果というよりは課題の方を感じた」と悔しさをにじませた。目標とするW杯8強入りのため、攻撃のブラッシュアップは急務となる。

 《ボール支配率は互角でも…》ボール支配率は日本が47.8%、ブラジルが52.2%とほぼ互角だった。それでも終わってみればシュート本数は日本が4本、ブラジルが18本と4倍以上の差がついた。シュート4本は森保ジャパンの国際Aマッチ50試合目にして、19年1月のアジア杯のサウジアラビア戦、イラン戦の5本を下回るワーストとなった。

続きを表示

この記事のフォト

2022年6月7日のニュース