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引退発表のC大阪・大久保 時には激しすぎるプレースタイルを選手、サポーターに謝罪 天皇杯Vで花道飾る

[ 2021年11月20日 05:30 ]

C大阪・大久保
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 C大阪は19日、元日本代表FW大久保嘉人(39)が今季限りで現役引退すると発表した。J1歴代最多の通算191得点を誇り、日本代表として2度のW杯に出場。日本サッカー史に名を刻んだストライカーがユニホームを脱ぐ決断を下した。22日に引退記者会見を行う。残るリーグ戦3試合と準決勝に勝ち上がっている天皇杯が最後の勇姿となる。

 記録にも記憶にも残るストライカーが、今季限りでスパイクを脱ぐ。J1歴代最多の通算191得点を誇る大久保が今季限りでの引退を決断したのは16日。19日の練習前にチームメートやスタッフに伝えた。

 「今シーズンをもちまして引退することを決断しました。この20年間、苦しいことも楽しいこともうれしいこともいっぱいありましたが、苦しいことが一番多かったかもしれません。しかし、それが自分を強くしてくれたと思っています。本当に20年間、ありがとうございました」

 クラブを通じたコメントには、熱い思いが込められた。プロとしての第一歩を踏み出したC大阪へ15年ぶりに復帰した今季は、開幕から5戦5発と奮起。前人未到のJ1通算200得点が期待される中、惜しまれながらの引退となった。

 マジョルカやウォルフスブルクでもプレーし、川崎F在籍時には3年連続で得点王に輝いた。日本代表でも2度のW杯に出場するなど活躍した一方、J1通算の警告数は104回と歴代最多。時に激しすぎるプレーで注目を集めることもあり、本人は「大久保嘉人のプレースタイルが、いろいろなチームの選手、ファン、サポーターの皆さまにご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っています」とコメントした。

 現在も出場を重ねており、引退を伝えられたチームメートらも驚きを隠せなかった。ただ、今季は2度にわたる肉離れを発症するなど、精神的にも肉体的にも限界が近かったという。選手としての命が完全に切れる前に、退くことを決めた。

 「これからの人生の方が長く険しいものになると思いますが、このサッカー人生で学ばせていただいたことを生かして、また一からいろいろなことを学び、頑張っていきたいと思います」

 今後のビジョンは22日に引退会見などで明かす予定ながら、まだリーグ戦3試合、そしてタイトルの懸かった天皇杯が残されている。愛するクラブのため、最後まで全力を尽くす。(西海 康平)

 ◇大久保 嘉人(おおくぼ・よしと)1982年(昭57)6月9日生まれ、福岡県出身の39歳。苅田SSSから国見中、国見高を経てC大阪加入。神戸、川崎F、FC東京、磐田、東京V、マジョルカ、ウォルフスブルクにも在籍。J1通算474試合出場191得点、J2通算48試合出場18得点、国際Aマッチ通算60試合出場6得点。家族は莉瑛夫人と長男・碧人(あいと)さん、次男・緑二(りょくじ)くん、三男・橙利(とうり)くん、四男・紫由(しゆう)くん。1メートル70、73キロ。

 《20日は古巣が相手》20日に迎える川崎F戦(ヨドコウ)は古巣との一戦。19日の練習前にチームメートやスタッフに引退を報告し「リーグ戦と天皇杯が残っているので頑張りましょう」と語りかけたという。既に残留が確定しており、9月8日札幌戦以来9試合ぶりのゴールを狙う。また、天皇杯準決勝は来月12日に浦和と激突。相手MF阿部勇樹も今季限りでの引退を発表しており、04年アテネ五輪、10年W杯南アフリカ大会でともに戦った盟友との最後の直接対決も注目を集めそうだ。

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