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田中碧 初出場初先発で決めた!柴崎ロストで“待望”若き司令塔 五輪の雪辱「必ず勝つ」

[ 2021年10月13日 05:30 ]

W杯アジア最終予選B組   日本2―1オーストラリア ( 2021年10月12日    埼玉 )

前半、田中(中央)がゴールを決め、喜ぶ日本イレブン (撮影・光山 貴大)
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 先発に抜てきされたMF田中碧(23)が、期待に応える代表初ゴールを決めた。前半8分、ペナルティーエリア右で南野のパスを受け、1トラップから右足を振り抜きゴール左隅に突き刺した。最終予選初出場で、チームに勢いをもたらす先制弾。力強いガッツポーズで喜びを爆発させた若き司令塔は「日本サッカーの進退も懸かっていた。この試合が終わって、引退してもいいやって思えるぐらい後悔のない試合をしたかった」とホッとした表情で振り返った。

 7日のサウジアラビア戦では柴崎のバックパスから失点。中盤でのボールロストも多発した中、待望論が巻き起こったのが、田中だった。全6試合に出場した東京五輪では遠藤と息の合ったプレーを披露。守田とも川崎F時代にコンビを組んでおり、連係面の不安はなかった。3ボランチは絶妙な動きで相手に的を絞らせず、遅攻と速攻の使い分けの課題も解消。その中心には間違いなく田中がいた。

 スタジアム入りの際、バスから見たある光景に心を打たれた。そこには5歳ほどの少年が、代表のユニホームを着て写真を撮る姿があった。「こういう子供たちに夢を与えないといけない」。自身も幼少時代はテーマを決めて公園で1人ドリブル、壁当てに明け暮れた。プロ入りしてからも何度も挫折を味わったが、W杯出場を夢見て努力は怠らなかった。試合前にさらなる覚悟が芽生えていた。

 東京五輪では3位決定戦でメキシコに敗れメダルを逃した。五輪の雪辱はW杯で――。「小さい子供たちがW杯を見られるように、日本が出ている姿を見せられるように、必ず勝って次に進みたい」と田中。今夏大きな野望を抱いて海を渡った23歳が、崖っ縁の森保ジャパンに希望の光を照らした。

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2021年10月13日のニュース