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デュエル王・遠藤がスペイン狩る 初の決勝進出、53年ぶりメダル確定懸け3日スペイン戦

[ 2021年8月3日 05:30 ]

<U24日本代表練習>ヘディングする遠藤
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 サッカー男子代表は3日、東京五輪準決勝でスペインと激突する。勝てば1968年メキシコ五輪の「銅」以来53年ぶりのメダルと、史上初の決勝進出が決まる一戦。オーバーエージ(OA)枠のMF遠藤航(28=シュツットガルト)は自身が「王」の称号を持つデュエル(1対1の競り合い)で、技術力の高い相手に自由にボールを保持させない戦い方を思い描いた。

 史上初の決勝進出を懸けて、“無敵艦隊”と対戦する。「金を獲るという思いで来ているので、やっとここまで来たという思いと、まだ見ていない景色がこれから見られるという思い」と遠藤。勝つために「よりしっかり人に行くところ」をポイントに挙げた。

 スペインとは大会直前の強化試合で対戦。堂安の先制点で1―1で引き分けたが、ボール保持率では36対64と圧倒され、終盤は18歳のMFペドリ(バルセロナ)らに翻弄(ほんろう)された。この試合は前半だけで退いた遠藤は、個の技術が高い相手について「ビビッて下がってスペースを与えてしまうと何でも自由にやられてしまう」と説明。昨季ドイツ1部でデュエル勝利数1位を誇るボランチは「より一歩、しっかり寄せるところは個人的には意識したい」と強調した。

 実はこの「デュエル」こそ、17年12月のチーム発足以降、五輪世代が急成長した点でもある。活動ごとにデータを蓄積してきた松本良一フィジカルコーチは「(初陣時から)回数は明らかに上がっている」と証言。「今までは、若い選手は奇麗にボールを奪おうという考え方が多かったが、A代表の選手を見ても、自分から当たりにいって隙があればボールを奪ってゴールを狙うのが今。体には負担がかかるが、凄く成長してくれた」と明かす。

 遠藤の姿が五輪世代に影響を与えたことは間違いない。主将を務めたリオ五輪で1次リーグで敗退した。18年夏に初めて海外挑戦。欧州では小柄な1メートル78の身体で1対1の競り合いでは無敵の強さを誇る選手に成長し、今季はシュツットガルトの主将にも任命された。「ここ(準決勝)を超えられるかどうか、日本サッカーの歴史を見ても凄く大事な一戦になる」。細部に宿る勝負の神様を味方につける。

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