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失明危機乗り越え、地元大阪からリスタート NZリーグでプレーした松本光平がトライアウト参加

[ 2021年3月6日 05:30 ]

トレーニングキャンプに参加し、決意を語った松本光平
Photo By スポニチ

 昨季限りで引退した元千葉の増嶋竜也さんが主催するトレーニングキャンプが、7日に最終日を迎える。元Jリーガーらが新たな所属先を探す自主的なトライアウトに、DF松本光平(31=オークランドシティ)も参加している

 「オークランドとの契約は6月まで残っているんですけど、コロナの影響で向こうに入国できない。日本に待機という状況になっていて、このままシーズンが終わるまで待機することになりかねない。それなら、このプロジェクトに参加して、日本だけじゃなく海外を含めて自分を必要してくれるチームがあるなら前向きに検討したいなと思いました」

 ハミルトン・ワンダラーズに所属していた昨年5月、ニュージーランドの自宅での自主トレ中にチューブの留め具が外れて目を直撃。帰国後に手術をして完全な失明は免れたが「右目はもう全く見えなくて、左もぼんやりとしか見えない」という。それでも、東京でのリハビリを経て、昨年10月から地元大阪で本格的な練習を再開。目の影響で当初はまともにボールを蹴ることもできなかったが、遠近感などをつかむ視力のトレーニングも行い、特製のゴーグルを着用して今キャンプでは練習試合にも出場している。

 「まず、自分の場合はしっかりと復帰してプレーできるところを見せたいです。今の自分が“プレーできます”と言っても“目が見えないからプレーできないだろ”と言われてしまうので。まずは、試合に出てプレーできるところを見せるのが自分の目指しているところです」

 その先には、19年に出場したクラブW杯への再挑戦を思い描いている。

 「2月のクラブW杯にオークランドが出場していて、僕もカタールに現地集合をする予定だったんですけど、オークランドが出場を辞退しちゃって。19年に出たとき、結果も内容も個人的に全く良くなかった。もう一回、その大会に出て活躍するというのが一番大きな目標です」

 強い覚悟を胸に、新天地を模索していく。

 ◆松本 光平(まつもと・こうへい) 1989年(平元)5月3日生まれ、大阪市出身の31歳。C大阪U―15からG大阪ユースに進み、その後はイングランドや日本、オセアニアのチームなどに所属。19年12月にニューカレドニアのヤンゲン・スポートの一員としてクラブW杯に出場。1メートル73、73キロ。利き足は右。主なポジションは右サイドバック。

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