×

川崎F、2年ぶり3度目“特別な”最速V――新布陣、分厚い選手層で独走

[ 2020年11月26日 05:30 ]

明治安田生命J1第29節   川崎F5-0G大阪 ( 2020年11月25日    等々力 )

<川崎F・G大阪>中村を中心に優勝を喜ぶ川崎イレブン
Photo By スポニチ

 明治安田生命J1リーグは25日、各地で6試合が行われ、川崎FがホームでG大阪を5―0で下し、2年ぶり3度目のリーグ制覇を決めた。18年MVPのMF家長昭博(34)がハットトリックを決めた。コロナ禍で異例のシーズン、新布陣4―3―3を武器に圧倒的な強さを発揮。4試合を残しての優勝は史上最速となった。 

 最後はホームで、クラブ初の“自力V”をつかみ取った。家長の初ハットトリックなど5得点の圧勝締め。万雷の拍手に包まれる等々力で、イレブンは次々に抱擁を重ね、そして中村に駆け寄った。家長が「一年間、チーム全員で戦ってきた」と胸を張れば、優勝シャーレを一番に掲げた中村も「フロンターレらしい優勝ができた」と喜んだ。

 新布陣4―3―3がV奪回の切り札だった。ディフェンシブに引いた相手を崩せなかった昨年の反省を生かし、より前線に人数をかける狙いで導入。ボールを保持して「中」から崩す従来のスタイルに、三笘、長谷川、斎藤らドリブラーの「外」を加えた分厚い攻撃で得点を量産した。守備では手薄となったアンカーの脇を狙われたが、状況に応じて2ボランチで対応するなど徐々に進化させ、対策を練った相手を常に上回った。

 慣れ親しんだ4―2―3―1からの変更はリスクも伴ったが、「新たな挑戦」が向上心と競争心を駆り立てた。全体練習後の個別練習は長時間に及び、連勝を重ねても試合後のロッカーの話題は修正点。一喜一憂する選手は皆無で、新加入の山根も指揮官に「何でこんなに喜ばないんですか?」とこぼしたほど。「コミュニケーションが確実に増えた」と谷口主将。マンネリ回避という効果も絶大だった。

 新型コロナウイルス下の特別ルールだった交代5枠を、9割以上の試合でフル活用。実はリーグ再開1週間前の湘南との練習試合が転機だった。2―0の後半、相手が一気に4枚代えすると、形勢が変わり同点とされた。効果を痛感した指揮官は、その反省を自チームの武器へと変えた。総得点79のうち50は後半。うち、途中出場の選手が決めた得点は24と抜群の威力を誇った。

 昨年11月に左膝を手術した中村を初めて長期欠いた今季だったが、「1試合3点」を目標に圧倒的な強さを発揮。新布陣とともに選手は一段とたくましさを増した。来季からの「ポスト憲剛」の時代は、常勝軍団へ駆け上がる新時代となる。 

続きを表示

この記事のフォト

2020年11月26日のニュース