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G大阪・遠藤 J1最多632試合出場の金字塔 元・名古屋の楢崎超え新記録「うれしいです」

[ 2020年7月5日 05:30 ]

明治安田生命J1第2節   G大阪1-2C大阪 ( 2020年7月4日    パナスタ )

<G大阪・C大阪> 前半、パスを出すG大阪・遠藤 (撮影・後藤 大輝)
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 新型コロナウイルスで約4カ月間中断していたJ1リーグが4日、再開し、9試合が行われた。G大阪はホームでC大阪に1―2で敗れたものの、元日本代表MF遠藤保仁(40)が元日本代表GKの楢崎正剛を抜き、J1最多出場記録を632試合に更新。リーグ再開の日に日本サッカー界が誇るレジェンドが新たな金字塔を打ち立てた。

J1最多出場のメモリアルは飾れなかった。最大のライバルにホームでは17年ぶりに負けた。それでも遠藤保仁は遠藤保仁だった。

 「この1、2週間はその質問ばかりだったので多少意識した。(新記録の)実感はありますよ。うれしいです」

 98年に第一歩を踏み出してから23年。J2だった13年を除いた全692試合のうち632試合に出場した。出場率は9割1分3厘。9人の指揮官の下でプレーし、信頼を勝ち取ってきた。この日もアンカーの位置でスタメン。後半9分で交代したが、攻守でチームを動かそうと尽力した。

 サッカーの潮流や年齢によって自らを適応させてきた。特に近年は技術ではなく、縦に速くフィジカル重視。「自分がプロに入った時に30代の選手は運動量を求められなかった」と苦笑いを浮かべるが、1試合の走行距離は決して少なくない。

 30歳を過ぎてから取り入れているのが、マジシャンの技術だ。10年W杯前に知り合ったことで弟子入り。「彼らは目線でだましますよね?サッカーも一緒。試合時はボールではなく相手の目の動きを見ている時もある」。自身が次のプレーをしやすいように相手を誘導。スプリント回数やスタミナ浪費を軽減し、高いパフォーマンスを維持し続けた。

 「数字の目標は特にない。たくさんの試合に絡めるように、限界を決めずにサッカーを楽しみながらチャレンジしていければいい」

 1月に不惑を迎えても失われることがないサッカーへの情熱。コロナ禍でタイトなスケジュールが待ち受けるが「自分の力を示していきたい」と前を向く。ここからは誰の背中を追い掛けるわけでもない独り旅。その終着駅がどこになるのかは本人も分からない。

【遠藤保仁アラカルト】
 ☆J通算665試合出場 13年J2の33試合を含む。2位はGK楢崎正剛の660試合(J2=29試合)。

 ☆J22年連続得点 新人の98年から昨季まで。今季得点なら23年に更新。愛媛MF山瀬功治が00年から20年連続で追う。

 ☆J21年連続開幕スタメン 京都時代の00年から今季まで継続。2位はDF中沢佑二で18年連続。

 ☆J1通算103得点 MF登録選手では最多。2位は藤田俊哉の100得点。

 ☆J1通算PK31得点 失敗は4本で成功率.886。2位は東京VのFW大久保嘉人で27点。

 ☆国際Aマッチ通算152試合出場 初出場は02年11月、W杯3度出場。2位はDF井原正巳とDF長友佑都で122試合。

 ☆公式戦1015試合出場 クラブと日本代表の合計。昨年8月に前人未到の1000試合出場を達成。

 ◆遠藤 保仁(えんどう・やすひと)1980年(昭55)1月28日生まれ、鹿児島市出身の40歳。98年、鹿児島実高から横浜フリューゲルスに入団。同3月のリーグ開幕戦でプロデビュー。クラブ消滅で翌年に京都入りし、01年にG大阪に移籍。05年のJ1初優勝、08年のACL制覇、14年の国内3冠達成などに貢献。日本代表ではW杯3度出場、国際Aマッチ通算152試合は歴代1位。Jリーグベストイレブン選出回数12回は歴代最多。1メートル78、75キロ。右利き。

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