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神戸 大型補強実った初タイトル!藤本 幻の新国立1号→正真正銘1号

[ 2020年1月3日 05:30 ]

<ヴィッセル神戸祝勝会>乾杯の合図で一斉にビールかけを始めるイニエスタ(左から2人目)やビジャ(右)ら
Photo By 代表撮影

 国立競技場のこけら落としとなった天皇杯決勝で1日、神戸が2―0で鹿島を下し、クラブ史上初のタイトルを獲得した。前半18分にオウンゴールで先制し同38分にはFW藤本憲明(30)が追加点。主将を務めた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(35)も司令塔として初戴冠に貢献した。賞金は1億5000万円で、アジア・チャンピオンズリーグの出場権も初めて獲得した。

 ついに神戸が頂点に立った。国立で行われた決勝戦で、難敵・鹿島に完勝。優勝カップを掲げた主将のイニエスタは「タイトルを手に入れられたことはクラブが成長していく上での分岐点になる。今後、成長していくための第一歩になってくれればいい」と歓喜の思いを口にした。

 5万7597人が詰めかけた国立でイニエスタを中心に攻守にアグレッシブな戦いを展開。前半18分には先制点を奪った。ポドルスキが左サイドから切れ込みシュートを放つと、GKがはじく。その球がゴール前の混戦の中で選手に当たりゴールへ転がった。一時は藤本のゴールとアナウンスされたが、その後、オウンゴールに訂正。新国立第1号は幻となった藤本だったが、同38分には相手のクリアミスを左足で、今度は正真正銘の一撃を決めた。

 神戸が誕生し、初めてJFLを戦ったのが25年前の95年。その始動日だった1月17日に阪神大震災が発生した。練習拠点は使えなくなり、岡山県内などを転々。その後も経営に苦しんだが、楽天が運営会社の株式を全て取得すると状況は一変。近年の大型補強がついに実った。

 終了間際に出場した元スペイン代表FWビジャはこの日が現役ラストマッチとなったが、神戸は天皇杯優勝により、ACL出場権も獲得。三木谷会長が「今度はアジアチャンピオンを目指してクラブ一丸となって頑張っていきたい」と新たな挑戦へ力を込めた。
 開示されている18年度のチーム人件費は、リーグでダントツの44億7700万円。圧倒的な資金力を生かし、神戸がアジアをも制圧する。 (西海 康平)

 ≪天皇杯がチーム初タイトルなのは02年度の京都以来≫2度のベスト4が最高成績だった神戸が初優勝。97年のJリーグ昇格から、23年目にして国内3大タイトルを初めて獲得した。Jリーグ創設後のタイトル獲得は神戸が19チーム目。天皇杯がチーム初タイトルとなったのは02年度の京都以来。神戸の先制点はオウンゴール。天皇杯決勝でオウンゴールによる得点は、77年度優勝のフジタ工業(現湘南、対ヤンマー=現C大阪)以来42年ぶり。観衆は5万7597人。実数発表となった93年度以降の天皇杯決勝では、同年度の5万3540人(旧国立)を上回り最多。

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